[脳科学] ブログ村キーワード
私は普段テレビというものをあまり見ないのですが、昨夜は珍しく家族で脳科学者の茂木健一郎さんが出演してる全力教室という番組を見ていました。
この国の教育が抱える問題について、諸悪の根源は偏差値評価だと言い切っている茂木健一郎さんに、とても共感を覚えました。
東京大学という誰もが日本一だと認めるシンボルであっても、その大学の審査基準は偏差値ということだから、一番というものを好む、人のもつ普遍的な性質から、能力のある人も、努力を惜しまない人も、皆が高校3年間という多感で貴重な期間を、偏差値を上げるために費やしてしまうと…
東京大学の価値は、QS世界ランキングでは32位。世界の中では特に優秀という評価は得られていない。
世界の優秀大学(ハーバードやマサチューセッツ、ケンブリッジ大学)に比べると圧倒的に低い価値のようです。
何故そのようなことが起きてしまうのか…
それこそが偏差値重視の教育なのだと。
名だたる世界の成功者達に共通すること。それはセレンディピティ(偶然の幸福)、つまりラッキーということ。
セレンディピティが促されるための必要条件は3A。
3Aとは、
Action 行動
Awareness 気づき
Accept 受容
このことは、私の専門分野である
ブリーフセラピーでも同じことが言えます。
継続して抱えてしまっている問題が解決する時というのは、偶然の産物が多いのです。
そして気づきを促すためには、処理能力ばかりを鍛え、感度を鈍くすることになる偏差値教育が最も問題なのだということでした。
必要なことは感情を揺さぶる出来事との出会いを促進する新しい行動を増やしていくこと。
聞けば聞くほど納得いく話の連続です。
そして授業を受けていた東大生達の気づき能力が低いとわかってしまう仕掛けが披露されていたのです。
知らぬ間に部屋の一部に変化が起きていたんですね。
しかし私には、その後の番組最後に起きたことの方が気になりました。
それは茂木健一郎さんが出演していた(授業をしていたところとは別の)スタジオにも、知らぬ間に変わっている仕掛けがされていたのです。
そして茂木健一郎さん自身もそのことには気づきませんでした。
今までしていた彼の授業について考えると違和感がある出来事です。
このことで私はこう捉えました。
あぁ、彼も自分自身が味わった悲しい人生を人には味合わないでいいように頑張ってるんだなと。
わからないからこそ、弱い部分だからこそ、そのことに向き合った研究成果を誰かに届けたいんだなと。
私も同じです。
小さい頃から複雑な家庭環境で育ち、学校ではいじめられ、人間関係はうまくいっていませんでした。
人の気持ちを理解することなんて、本当にできませんでした。
だからこそたくさんのことに失敗してきました。
私がコミュニケーションを専門に研究し続けるのは、本当に人間関係は簡単ではないことを知っているからです。
改めて決意を新たにできるテレビ番組となりました。
改めて茂木健一郎さんにも、テレビ関係者にも感謝申し上げます。
いつもご愛読ありがとうございます。