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- 2020.10.17 Saturday
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少し前には、神奈川県座間市での連続殺人事件が連日報道されました。
この事件はSNSによって「死にたい」などと投稿していた人に直接犯人が、「一緒に死のう」などと誘いをかけることによって起きていたと言います。
このことは国としても大変重要視されており、閣僚級の会合が開かれて厚労省にて早速予算がついたりもしているようです。
そして既にSNSでは、文科省が先行して10代のいじめ対策が始まっており、私の昨年からそこに関わらせていただいておりました。
SNSによるカウンセリングで何ができるのかというシュミレーションにも、モデルカウンセラーとして使っていただきました。
そして先日(5月10日木曜日)、ついに東京(永田町・国会議事堂前にある参議院議員会館)にて「SNSカウンセリングシンポジウム」が開催(全国SNSカウンセリング協議会主催)されました。
私は、講師をさせていただいている関西カウンセリングセンターのSNS相談事業スーパーバイザーという立場で、パネリストとしての出席です。
当日は160名以上が参加される盛会ぶりで、テーマがこの国からSNS相談を通じて自殺を無くしていこうというものだったこともあり、党や派閥に関係なく、国会議員の先生方もずいぶん沢山ご出席いただいておりました。
そのうちのお一人、今回SNS相談に国(文科省)の予算獲得に奔走してくださった浮島とも子衆議院議員のツイッターを紹介させていただきます。
第1回SNSカウンセリングシンポジウムが開催。ご挨拶させていただきました。昨年2月から取り組んで来た LINE等によるいじめ、自殺防止対策。このように沢山の方々にお集まりいただき感無量。。 pic.twitter.com/6ek2N9kyGO
— 浮島とも子 (@Tomo_Ukishima) 2018年5月10日
イベント全体のチラシはこちらです。
チラシを見ていただいてもわかりますとおり、大変多くの方々が登壇される形のシンポジウムでした。
文科省・厚労省の担当者を含むどの発表も10分以内程度のもので、後半のシンポジウムでも、昨年から今年にかけてSNS相談を行った全国13の団体が数分ずつそれぞれの取組を伝えるという程度のものです。
私もそのうちの5分ほど、発表させていただいております。
その意味で、今回のシンポジウム開催の意味は、その内容よりも、多くの国会議員、全国の関係団体が一つになって、SNSカウンセリングをこれから発展させていくと手を結んだことにあると感じました。
私がお話した部分をSNSで公開してくださるという話もありますので、その際は、再度ブログ掲載もさせていただこうとおもます。
そして実は、数分で伝えきれるはずがないと思い、東京に向かう新幹線の中で、ツイッターの連続投稿で、伝えたかったことの概要を書いてますので、ここに転載させていただきます。
SNSカウンセリングを語る前に、SNSとカウンセリングという異文化がここに繋がったことに意味があるだろう。そう考えるとSNSは国民にどんな価値を創ったのか、そしてそもそもカウンセリングとは何なのかという二つを意識してみる必要がありそうだ。
— 心匠 上野大照 (@UENOTAISHO) 2018年5月10日
上記、日時のところをクリックしていただきますと、連続投稿を全て見ていただけると思いますので、SNSカウンセリングにおける私の意見を是非ご覧下さい。
そしてこのシンポジウムに参加したことで、私自身もSNSカウンセリングに対し、新たに次のような認識が深まりました。
・SNSでも女性の方が圧倒的に相談率が高いということ
・SNS相談の年齢層は主に20代までで殆どを占めるということ
(今まで手が届かなかった層に着手できた)
・いじめ相談は中学1年生が特に多いということ
・SNS相談は文字やスタンプ、写真などによるチャットのやりとりとなる為、対面や電話よりも相手の状況を掴むことに多くの時間がかかるということ
・SNSであっても、対面や電話に引けを取らない心理的な成果を上げているということ
そして一番注目すべきは、やはり今まで相談してこなかった多くの若者が、今回の仮実施期間に相談してきたということです。
その数は、1日で数年分にも及ぶことまでありました。
今の時代、SNSはやはりそれが力なのだと思います。
やってみて、やはり対面や電話よりも大変効率は悪い。
しかし、情報を知ることができる確率が大きく変わる。
今まで若者達に何が起きているのかを見定めるツールはないに等しかったわけですから…
そして大きな問題となる前の対策ができることも多い。
その先にあることは、その他の方法で実施してきた自殺対策などと、同じような課題でしょう。
その一つは、警察や支援団体などへどう繋ぐのか(アウトリーチ)。
もう一つは、カウンセラーの相談力をどう養成するのか。
たしかに文字によるカウンセリングは、対面・電話のような雰囲気によるものが伝わりにくいですから、相手からの情報獲得も難しいですし、他の相談方法よりも具体的に尋ねてもらえることや、アドバイスを求めている場合も多いようです。
「気持ちを聞いてもらうことが解決へとつながる」という、従来の心理カウンセリングでは、うまくいかない。
この点、私は逆に積極的な対話を生かした短期療法家ですから、従来のカウンセリングでは扱えなかった痒いところに手を伸ばせるのではないかと思っています。
具体的には、
・短文で高頻度の返答能力
・それは短時間で明確な状況掌握
・現実的で具体的な行動提案
・短文でも深く受容する傾聴の力
などでしょうか。
今後、こういった事業に対しても、より充実したSNS相談員を養成していけるよう、研修内容の提案などをさせていただく所存です。
こちらは、今月末に発売予定のSNSカウンセリング入門。
私もコラムを1ページほどだけ寄稿させていただいております。
長々と書きましたが、今後共、こういった活動を注目いただけると一番有難いです。
私の近況は、主にFacebookとメルマガにてお伝えしてまいりますので、どうぞこちらの無料メルマガをご登録下さい。
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いつもご愛読ありがとうございます。
JUGEMテーマ:SNSカウンセリング
本日は、ある自治体にてSNSカウンセリングを実施する相談員が受講するスキルアップ研修の講師をさせていただきました。
一つの自治体ですが、そこで研修をお受けいただいた方々は、50名ほどおられました。
国を揚げて取り組んでいる事業だけに、その規模感を肌に感じます。
ちょっと疲れた顔しておりますが、今日の研修講師を終えた直後の、会場となった梅田のビル近くで撮影したものです。
SNSカウンセリングには、一般的な他の心理カウンセリングと違う特徴があります。
その一つは、名前も知らない相手に対し、すぐに相談が始まるということ。
自分から名前を言う人もいますが、基本的には匿名相談なのです。
どのような問題を抱えているのか、悩みはどれくらい深いものなのか、自殺や他害のおそれはどの程度あるのかなど、相手がまるでわからない中で、基本的に文字だけで確認していけなければいけません。
しかもLINEなどのチャット形式ですから、メールのように状況を長文で詳しく書いているものではなく、単発の短い言葉が連鎖することが殆ど。
その意味では、深い話をするのに適した相談方法ではないのかもしれませんが、そこには大きな利点が存在します。
圧倒的に他の相談方法よりも優れている利点。それが気軽さ(敷居の低さ)です。
さらに10〜20代に至っては、生活の導線の中に「電話する」というものが殆どありませんので、どうしても悩みについて電話するというアクションは、不慣れなだけでなく、抵抗が強まります。
見知らぬ相手が出るとしても、自分で電話して確認するというアクションは、現代の若者には通じないのです。
これは若年層にコミュニケーションをちゃんと教育してこなかったというような、マイナス要因で捉えても無意味なもので、それだけ便利な通信手段(スマートフォン)を既に持ってしまっているわけですから、ある意味当然のことなのでしょう。
2017年に、長野県がいじめに関する相談を受けるLINEアカウントを開設したところ、数日で電話相談の一年を超える相談数が来たというのですから、通信手段を若者側に合わせることの価値がどれだけ重要なのかがわかります。
しかし、先に書いた通り、事実関係や心情を理解するまでに、わかりやすいわけでもない数十回のターンが必要とされる以上、効率が良いというわけでもありません。
相談してくる側にすれば、できるだけ早く自分の気持ちを理解してもらいたいのは当然でしょうし、相談員の方では、相手の状況をできるだけ速く掴みたいは言うまでもありません。
そしてこういった、「相手の状況を同時的に確認しつつ、相手の問題を解決していく必要のある相談」では、感情への視点が強い一般的な心理カウンセリングでは、あまり効果を得られないということもわかりました。
それは、文字で行われるカウンセリングである為か、例えば相談者が「苦しいんです」と言ったとき、「そうか、苦しいんだね」と返しても、頷きや息遣い、相手をよく見ているなどの雰囲気が伝わらないことにより、「同じ言葉を繰り返されただけ」という印象が強まってしまうということもあるようです。
対面や電話でのカウンセリングに慣れているカウンセラーであれば、敷居が低いメリットとは逆に、一回の対話に多くの情報を乗せられないジレンマが生じがち。
実はこのSNSカウンセリングを実現していこうとする前段階で、「こんなことをやろうと思うんだけど、どうか」を声をかけられました。
既に私が、「今どんな気持ちでいるのか」という視点だけではなく、「本人の周囲に何が起きているのか」を把握し、それを解決に生かそうとするブリーフセラピーを主な手法としたよるカウンセラーであることを、知っていただいていたからなのかもしれません。
これはとても光栄なことで、この仕組みづくりの初期段階、デモカウンセラーとして最初にお声掛けいただいたうちの一人が私でした。
このスクリーンショット画像は、当時朝日新聞で掲載されたもので、実際に外からスマートフォンで相談をしてみる実験に使われたもの(架空事例)です。
私のアカウントをそのまま使っての試用だったこともあり、一時的に私の名前で公表されました。
今でもこちらのコピー記事では、ニュースとして読むことができます。
【LINEでいじめ相談 大津市で試験導入 「全国に広めていきたい」(ハフポスト)】
当時、まだどこの自治体も始めていなかったものが、国でも2億円という予算がつき、2年という短期間であっという間に全国展開されるようになったのは、それだけ時流だったのだろうと思います。その背景には、SNSによる事件が目立ったことや、LINE社のスタッフを始め、京都大学の杉原教授や宮田専任講師を中心にSNSカウンセリングの学術的な観点を早急にまとめてくださったこと、情報法制研究所などが文字データの解析を急いでくださったことなどで、さらに多くの人と熱意が結集し、SNSカウンセリングの有効性が証明されたことなどがありました。
試験運用から約1年後には、全国でSNSカウンセリングを始めた13団体、この制度運用を支持くださった国会議員、関係者一同が集まって最初のSNSカウンセリングシンポジウムが開催されました。
そこではパネラーも務めさせていただき、当時こちらのブログで内容を紹介しています。
【SNSカウンセリングシンポジウムにてパネラーをさせていただきました】
さきほどから触れている通り、SNSカウンセリングでは、相談者が「何を思っているのか、どういう気持ちなのか」ということに、時間をかけ、徐々に問題の本質にたどり着いていこうとすること自体に、時間的にも感情的にも、難しい場合があるようです。
特に若年層の相談の場合、気持ちの整理よりも、現実の状況を詳しく知ってもらって、具体的なアドバイスが欲しいというニーズもある為、余計に「気持ちじゃなくて、状況を理解してほしい」という声もあります。
そこに対応するとしたら、状況さえわかれば、あとは有効な考え方を示唆したり、本人の解決への行動を促すなど、具体的なアドバイスをするのが現実的です。
誰かに相談してみるとか、親との話し方を提案するとか、友だちとの関係をどうやって修復するのか、勉強法の伝授など、やることは様々。
ただ、ここで共通するのは、いじめなどの厳しい状況であっても、相談者は殆どの場合、教育委員会などの強制的介入を好まないということ。
あまり派手なアクションをとられると、本人たちもその後がどうなるのか、不安になるようです。
ある意味匿名性を維持したい理由もその辺りにあるのではないでしょうか。
だからこそ、必要になるのが、本人が自分の力で動けるように、心理的な力を与えてあげるということ。
心理的な力とは、ちゃんと深く自分で考えている賢明さ、他人想いの誠実さ、状況に負けない強さや勇気などです。
こういう部分について、本人が自分の力を自覚できるようなやりとりなしでは、明日学校に行って、またはこれから親と話し合うなどのアクションがとれません。
こういったことには、先ずは強すぎる孤独から脱し、誰かと共にチャレンジしていこうとするだけの自己効力感や自己有用感が前提として必要になる筈です。
孤独と絶望の中で、何かができる気がするなど、ありえません。
このことに、僅かでも希望を見出し、最短の速度でたどり着けると言われているのが私が得意とするブリーフセラピーです。
ブリーフとは短期という意味であり、ここでの短期を私なりに解釈するなら、本人が何か新しい希望を見出すまでの時間のこと。
希望をつくりだす条件は、今抱えている問題がどんな内容で、どれほど苦しいのかということ以上に、本人はどんな能力を持ち、どんな強みがあるのかを、共に発見していこうとする助言者の姿勢と技法にあると思います。
どちらにしても、自治体での相談を受けたりする為には、SNSカウンセラーの資格を取得する必要があります。
それは全国SNSカウンセリング協議会の傘下にある団体での研修を終え、資格者として登録することになります。
私も所属している関西カウンセリングセンターでは、受講対象者であれば10日間でSNSカウンセラーの資格取得が可能な講習を実施しています。
直近の講習詳細はこちら↓
上記の講座は私が講師ではありません。私は既にSNS相談の現場で取り組んでいる方向けに、フォローアップ講師としての役をいただいておりますので、資格取得の為の学びとは違います。ただ、そういったスキルを高めたい方に対するトレーニングは小さな事業として講座を提供しております。
こういった技能提供という意味で、こちらの講座(全12回)を一度覗いてみていただければ幸いです。
現在13期が進行中ですが、10月14日(月・祝)にChapter1〜6を速修で補講し、後半のChapter7から始められる後期受講生(14期Chapter1〜6まで継続受講が可能)を追加枠として2名だけ募集しております。
こちらは私が主宰するカウンセリングサロンでの開催の為、小規模での募集となっておりますが、私が直接講師として担当させていただく授業をご希望の方は、どうぞお問合せフォームまたはLINE公式アカウントからお声掛けください。
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