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    • 2020.10.17 Saturday
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      読者の皆様、いつもご愛読ありがとうございます。



      今朝は一人の時間があり、多少物思いに耽りながら、

      20代前半の頃を思い出していました。



      一人になると何故か急に自身のルーツのようなものが

      思い浮かぶことって皆さんはありませんでしょうか。



      当時、私は末期がんや難病、交通事故後の生死が

      保証できない人、記憶喪失に苦しむ人などの心理療法

      に取り組んでいた時期でした。



      ある意味セラピストとしての第一線とも言える時期

      だったと思います。



      今、思い出されるのは…



      交通事故で脳にダメージを受け、脳が半分近く潰れて

      しまっていたクライアントのことです。



      既に補うことのできない物理的な損傷の中で、彼女は

      記憶喪失も伴っており、私は実際何をして良いものやら

      ただ悩み、会話しに通うだけの日々でした。



      しかし、気になることがありました。



      それは、記憶が曖昧なので話はめちゃくちゃで辻褄は

      合わないのですが、お父さんのこと、お母さんのこと、

      誰か男性と付き合っていたことなどをしきりに話す

      のです。



      悩んでること、相手に望むこと、あのときはこうして

      欲しかったなどのこと…などなど



      私はそれをどうにかできるわけではありませんし、

      彼女の状態がどれほど回復するのかも検討がつきません

      でしたから、ただ話を聞くだけです。



      ただ、なにか人は、他の人に求める何かが、人生の

      中でとても重要なことなのかもしれないな…と当時の

      私は思ったのを覚えています。



      なので、とにかくご両親に連絡をとり、付き合っていた

      人が居るということを確認し、連絡をとってもらい

      ました。



      そこにはある人間関係事情と、ドラマがあったんです。



      長くなるので、この続きはまた次回に書きます。



      いつもご愛読ありがとうございます。


      JUGEMテーマ:メンタルケア

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        この記事は、前回の記事


        の続きとなっています。

        気になる方は前回の記事からご確認ください。



        そして私は両親に彼女が付き合っていたと言われる

        男性のことを尋ねてみました。



        すると、ご両親は答えました。



        「実はうちの娘は、私達が交際を反対する男性と

        付き合っており、家出するようにその男性のところに

        同棲していたんです」



        詳しく聞くと、その男性には重度の身体障害を抱える

        お母さんが居らっしゃるようで、一生その面倒を

        見ていかないといけない。

        そんなことお前にできるのかと、娘を心配していた

        親心だったようなのです。



        親心はいつも子ども肯定的に伝わるわけではありません。



        彼女としては、自分を心配するよりも応援して欲し

        かったのではないかと思います。



        両親と何度かの口論をするうちに家を出てしまった

        彼女は、彼に家に住み、仕事もしながら新しい生活の

        基盤をつくっていったのです。



        それが続くと、もちろん実家には帰りづらくなって

        きます。



        望む人生を送りたい娘、行く先を心配する親、愛が

        あるのに仲違いする関係…



        事故はそんな矢先に起きたのです。



        一見どこにでもあるような人間関係から始まる出来事



        続きは次回に書きます…



        いつもご愛読ありがとうございます。



        JUGEMテーマ:メンタルケア

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          いつもご愛読ありがとうございます。


          ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯

          この記事は、

          このグループ「脳障害を負ったクライアント」

          http://beautyscience.jugem.jp/?cid=58

          でシリーズとして書き溜めているものです。

          後の記事を見てご興味を持っていただいた方は、

          グループの記事を初めから読んでいただけましたらと

          思います。

          ※ブログなので順番が通常と逆です
          (最新記事が先に出てきます)
           ご了承ください。

          ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯



          事故は彼女が住んでいた彼の家(同棲先)からすぐ近く

          で起きました



          大きなトラックが彼女を大通りから左折する際に、正面

          から轢いたのです。



          自転車に乗っていた彼女は急に避けることもできず、

          トラックによって跳ね飛ばされ、更に何度も地面に

          頭を強打。



          結果として彼女の頭蓋骨は片側が粉砕され、脳が見えて

          しまう状態。



          彼女はバッグに緊急連絡先が入っていたものを持って

          いましたが、それは実家の連絡先ですから、もちろん

          連絡は病院と警察から両親に入りました。



          連絡を受けた両親はすぐさま病院へと向かい、集中治療

          の最中に立ち会うことになったようです。

          何かわからない機械に繋がれ、管があちこちに通され、

          頭蓋骨が陥没し、意識はないのですが、手足をバタバタ

          と奇妙な動きをしている娘さんを見て、気がおかしく

          なりそうだったと後に語られてました。



          私はその数日後、まだ頭に包帯を被せただけの状態で、

          奇妙な動きを繰り返している彼女を集中治療室でただ

          眺めていました。



          もちろんカウンセラーですから、何もできることは

          ありません。どうも記憶がないらしいということです

          から、できることがあるのか、確かめに行ったような

          ものです。



          心理療法でこんな状態の人に何ができるのかと…



          私はこういう時にお決まりの文句があるのですが、

          とにかくご両親に



          「起きたことはもう避けられません。でもこの出来事

          とどのように向き合って行くのかは、これから考える

          ことができます。必ず何か道は拓けますから、頑張り

          ましょう」

          (※尊敬する故ヴィクトル・フランクル氏の影響に

          よる考え方です)



          そう伝えて、何ができるのか、考えながら病院を

          後にしました。



          話は初めに戻り、次回から実家のご両親と、同棲して

          いた彼とのことについて書いていきます。



          いつもご愛読ありがとうございます。



          JUGEMテーマ:メンタルケア

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             いつもご愛読ありがとうございます。


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            この記事は、

            このグループ「脳障害を負ったクライアント」


            でシリーズとして書き溜めているものです。

            後の記事を見てご興味を持っていただいた方は、

            グループの記事を初めから読んでいただけましたらと

            思います。

            ※ブログなので順番が通常と逆です
            (最新記事が先に出てきます)
             ご了承ください。

            ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯



            実家のご両親は、彼のことがあまり好きではありません

            でした。



            両親にすれば娘をたぶらかせた相手という感じだった

            のかもしれません。



            そして感じが彼にも伝わってますから、彼もご両親とあ

            避けがちなコミュニケーションをとらざるをえません。

            苦手な人とはどうも話しにくいものです。



            しかし、娘にすれば大好きな彼ですから、彼が避けがち

            で、自分も喧嘩して出て行った手前、ご両親と疎遠に

            なっていくのもわかります。



            人は自分にとって欲しくない状況が続くと、それを

            誰かのせいにしたがるものです。



            両親にとっては、彼がその悪の黒幕みたいに思って

            いたのでしょう。



            「娘が変わったのは、あの男のせいだ」という話に

            なってしまっていました。



            どこにでもありそうな話ですが、こういうときには

            日頃の人間関係が微妙に作用してしまいます。



            両親は彼に連絡をしませんでした。

            これを機に関係が切れてくれれば良いと願って

            しまったのです。



            それどころか、今回の事故はそもそも逃げるように

            同棲したせいだと思ってます。



            担当医師からの説明によると、

            「脳が損傷を受けたわけですから、必ず障害は出てる

            はずですし、運良く回復に向かったとしても何かの

            障害を抱えて生きなければなりません。まだ命の保証が

            できるわけでもないので、このまま最悪はお亡くなり

            になってしまうかもしれません」

            ということですから、両親からすれば彼はもう恨んでも

            恨みきれないほど憎い相手なのです。



            彼の側にすれば、自分が仕事に行っている間に急に

            同居していた彼女と連絡がつかなくなったのですから、

            気が気でなかったでしょう。



            私も何ができるともわからないまま、ただ毎日通い、

            彼女の状態を眺め、生きてほしい、回復に向かって

            ほしいと願うばかりでした。



            まだ物語は続きます



            JUGEMテーマ:メンタルケア

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              いつもご愛読ありがとうございます。


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              この記事は、

              このグループ「脳障害を負ったクライアント」


              でシリーズとして書き溜めているものです。

              後の記事を見てご興味を持っていただいた方は、

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              そして彼女はとにかく一命は留めることができました。



              容態が安定したきたので、ICU(集中治療室)から、

              SCU(脳卒中集中治療室)へと移り、経過を見ていく

              こととなりました。



              集中治療室と違い、家族や面会者も少し長く居ることが

              できます。



              そして話し始めると…彼女に起きていることが少しずつ

              分かり始めました。



              そう…



              事故より前のことが思い出せないのです



              (どちらにしても私は事故後に始めてお会いしてます

              ので、もちろんどこの誰?という話だと思うのですが…)



              脳に物理的なダメージを負っていますから、もちろん

              半身不随症状が出ており、これについてはもう、担当

              医師からも「諦めてください」とのことでした。



              ご両親が本人に何が起きたのか必死に説明していますが

              思考にもまだ難しさがあるのか、中々思うように話が

              進みません



              私は時々「貴方は誰なの?」と聞かれますから、

              「精神ケアの先生ですよ」と言うと、「ふ〜ん」と

              帰ってくる程度の反応です。



              そして少しこの話を早巻きにしたいと思いますが、

              SCUも出て、一般病棟の個室へ移り、段々と普通の

              入院生活的な状態へとなってきました。



              そしてやっと彼女(ここからはAさんとします)との

              まともな会話ができるようになってきました。

              (私にはこの時点で既に奇跡だというレベルに感じて

              ましたが…)



              結局私にできることなど、殆どありませんから、何気

              ない会話を交わしては帰る日々の繰り返しなのですが、

              数週間経つと、彼女が頭をもたげて、何かに苦しんで

              いる様子なのです。



              何か重大なことを忘れている気がすると…



              既に毎日来ているご両親については、きちんと思い出し、

              わかるようになっていました。



              そうです。



              読者の皆様はお気づきになったかと思いますが、

              同棲していた彼の存在について、Aさんは忘れていたの

              です。



              ご両親は彼の存在について、会話の中で一切触れて

              なかった。



              このまま忘れてくれていたら良いと思っていたの

              かもしれません。



              しかし、そんなご両親の意図は虚しく、記憶の糸は

              徐々に紡がれていきます。



              その瞬間がどうもとても苦しいようなのです。



              そして彼女は気づきました。



              自分には結婚の話までしていた同棲中だった彼が

              居たのだと…



              続きはまた次回に…



              いつもご愛読ありがとうございます。



              JUGEMテーマ:メンタルケア

              0
                いつもご愛読ありがとうございます。


                ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯

                この記事は、

                このグループ「脳障害を負ったクライアント」


                でシリーズとして書き溜めているものです。

                後の記事を見てご興味を持っていただいた方は、

                グループの記事を初めから読んでいただけましたらと

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                ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯


                ここで物語は最初に戻るわけですが、それまでのAさん

                は本当に死んだように絶望を味わっているように見え

                ました。



                頭の半分には未だに頭蓋骨が入っていない状態で、皮膚

                だけがある状態ですから、見事に脳が潰れてしまって

                いるように見えてしまいます。



                痛々しく顔まで包帯を巻いたままの状態で、顔色は

                悪く、視線はいつも下を向いたまま…



                担当医の言うところによると、頭蓋骨ないまま脳に

                空気圧がかかると後に、段々と脳障害が起きてくる

                とのことで、頭蓋骨の型をとり、セラミック製の頭蓋骨

                を入れる手術をすることが決まっていました。



                頭蓋骨が入るまでは、転んで脳を損傷したりする

                リスクがありますので、ベッドでリハビリを始めるの

                ですが、やはりこのときも予想はしていましたが、

                厳しい現実が待っていました。



                半身不随です。



                右脳が潰れていますので、左半身の麻痺が起き、

                動かない状態となっていました。



                口が半分動かないからうまく食べられない食事や

                力を入れようとしても入らない左手足を見ながら

                呆然としています…



                脳に損傷を受けているわけですから、動きが完全に

                回復しないことは目に見えています。



                Aさんのリハビリに向かう気力は乏しいものでした。



                両親は必死に動かすように言いますが、やはり気力の

                ないリハビリに成果など出るはずもありません。



                そしてその日もまた、私はいつも通り、何もできない

                という絶望を感じながら病院に向かいました。



                病室に近づくと聞いたことのない声が聞こえます。



                落ち着いた男性の声です。



                病室に入ろうとすると、明らかにいつもの雰囲気と

                違うことがわかりました。



                そうです。



                彼が来ていたのです。



                私は初めて見ました。

                明らかに紅潮し、喜んでいるAさんの顔を。



                彼は私に対しても、


                「貴方が『先生』ですか、Aが何度も言うのでどんな

                方かと思っていました。いつもお世話になっております。」


                と丁寧に挨拶してくださいました。



                その瞬間、彼の奥に居たAさんに、いつもとは違う

                動きがあることを、私は理解しました。



                左足が動いているのです。



                「奇跡というのはこういうことを言うのか…」



                そう思いました。



                さらに病室の奥には、どこかしらキマリの悪そうな

                感じでご両親が座っていました。



                彼女のそこからの回復は目を見張るものがありました。



                続きはまた次回に…



                いつもご愛読ありがとうございます。



                JUGEMテーマ:メンタルケア

                0
                  いつもご愛読ありがとうございます。


                  ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯

                  この記事は、

                  このグループ「脳障害を負ったクライアント」


                  でシリーズとして書き溜めているものです。

                  後の記事を見てご興味を持っていただいた方は、

                  グループの記事を初めから読んでいただけましたらと

                  思います。

                  ※ブログなので順番が通常と逆です
                  (最新記事が先に出てきます)
                   ご了承ください。

                  ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯



                  その後、彼女の記憶は完全に回復します。



                  そうです。



                  記憶が回復するということは、今後の交際にあたっての

                  ややこしい事情も同時に思い出し、現実として向き合わ

                  なければならなくなります。



                  しかし、両親は見ました。



                  奇跡が起きる様を。



                  実際、その後も脳のセラミック製頭蓋骨が合わず、

                  身体から拒否反応が出て膿が出続け、結局少し重量が

                  重たくなる樹脂製の頭蓋骨へと変更しないといけない

                  事態となったり、リハビリで転んでしまって別の損傷が

                  生まれてしまったり…



                  厳しい状態は続きましたが、命の心配をする必要はない

                  ところまで回復しました。



                  しかし、自分が身体障害者となってしまった今、障害を

                  抱えるお母さんの介護を必要とする結婚も選べませんし、

                  彼としてもお母さんとの今後を考えますと、彼女を

                  結婚相手として選ぶことは絶望的です。



                  彼女の両親はそんな結婚にはもちろん反対ですが、

                  彼女の希望として再び現れた彼との縁を切るように

                  言うわけにもいきません。



                  二人は運命に選択を迫られました。



                  こんなとき自分なら、一体何を選ぶでしょうか。

                  彼は彼女を見捨てられるのでしょうか。

                  彼女は彼に頼らないという選択をできるのでしょうか。



                  どう考えても、僕は実力不足でした。



                  彼女に与えられるものは、話を聞いて安心を促すだけ…



                  人は何を基に、何を選んでいけば良いのでしょう。



                  自分の人生に予期もしなかった惨事が訪れたとき、

                  人を拠り所に生きていけば良いのでしょう。



                  そして彼女も彼も、これから先の人生をどう捉えて

                  いたのでしょう。



                  彼女達の選んだ結末は、また次回にお届けます。



                  この物語は次回が最終回となります。







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                    [悲劇] ブログ村キーワード



                    読者の皆様、いつもご愛読ありがとうございます。


                    今回で最終回となる「あるクライアントとの会話」シリーズです。

                    お楽しみください。



                    ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯

                    この記事は、

                    このグループ「脳障害を負ったクライアント」

                    http://beautyscience.jugem.jp/?cid=58

                    でシリーズとして書き溜めているものです。

                    後の記事を見てご興味を持っていただいた方は、

                    グループの記事を初めから読んでいただけましたらと

                    思います。

                    ※ブログなので順番が通常と逆です
                    (最新記事が先に出てきます)
                    ご了承ください。

                    ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯



                    さて、彼と彼女は自分たちの絶望的とも思われる未来を

                    どう考え、何を選択したのでしょうか。



                    その答えはその翌年に出ていました。



                    実はあの後Aさんは、リハビリを地域の障がい者福祉

                    施設で行うようになったということで、私は心理的な

                    ヘルプは一旦お休みということになったのです。



                    そして自宅に戻ったAさんから再び、最近の様子を見に

                    来て欲しいということで、呼ばれていきました。



                    呼ばれた場所はご両親の家でした。



                    そうです。Aさんはご両親の住む実家に戻っていったの

                    です。



                    ということは、彼とは別れたのでしょうか。



                    少なくとも一緒に住んではいないということになります。



                    身体は半身不随を抱えたままでしたから、たしかに

                    不自由そうではありましたが、器用に動きまわるように

                    なっていました。



                    そして話を伺いますと、彼とはまだ続いているとの

                    ことでした。



                    Aさんと彼、ご両親も含めて話し合った末、彼の

                    お母さんのこともあるので、負担をかけるわけには

                    いかないから、ご両親の居る実家に戻り、交際は

                    続けるということになっていました。



                    結婚についてはどうなったのでしょうか。














                    なんと




















                    それは、























                    未だに決まってませんでした(笑)



                    というよりも、先を見据えて辛く悲しい選択をすること

                    に本当に意味があるのかどうかを考えた末、行ける

                    ところまで行ってみようという二人と取り巻く家族達の

                    新しいチャレンジが始まっていたのです。



                    私はこのことにとても勇気づけられました。



                    将来を考えるなら、ここで別れておこうなんていう話は

                    世の中にいくらでもあります。



                    でも彼女を取り巻く全員に訪れた交通事故という厳しい

                    現実は、そのまま別れたとしても、誰を幸福にして

                    くれるものでもありませんでした。



                    悔いを残して、別の選択をするよりは、難しいかも

                    しれないチャレンジをできるところまでやってみよう

                    という途中だったのです。



                    そこには複雑な現実を抱えつつも、逃げること無く

                    現実と向き合って生きている素晴らしい人達の姿が

                    ありました。



                    選択はお決まりのいくつかの中から選ばなければなら

                    ないわけではないわけですね。



                    これらの出来事は、その後の私にとって、とても大きな

                    意味を持ちました。



                    それは人が人とどう関係するのかによって、治療効果

                    も大きく違えば、二つの家族というコミュニティの

                    未来も大きく変わる、そういう現実を見せてもらった

                    事実だったのです。



                    20代前半だった私には、随分と衝撃を受け続けた現実

                    でした。



                    私はその後も重病、難病、死を待つ人など、厳しい現実

                    を持つ人々の心理療法をし続けてまいりましたが、

                    このことに代表されるように、人を生かすも殺すも、

                    それは人なのだと思っています。



                    人は人と生きています。



                    その後に僕は心理学を専門的に学びますが、古典的な

                    個人の心理を研究する心理学よりも、人と人の関係性を

                    重視するコミュニケーション理論を基礎とした

                    ブリーフセラピーに興味を持ったのは、このことが

                    あったからだと思っています。



                    人が人とどう生きるのか、きっと人類が始まった頃から

                    存在する課題だったと思います。

                    そしてそれはこれからも消えることのない課題です。

                    このことが解決されたとき、殆どの問題は解決しますし、

                    多くの欲しい未来が待っています。



                    世界の人々が、コミュニケーションの新しい次元を

                    手に入れていくこと、それを支援するのが僕の役目

                    だと思っています。



                    得た経験、知識、能力は誰かの為に…


                    ですね。



                    無駄に長いシリーズとなりましたが(笑)、ここまで

                    関心を持って、この話題を読み続けてくださった皆様、

                    ご愛読ありがとうございました。


                     
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