[悩み相談] ブログ村キーワード
私は信念として、クライアントが抱える悩みは、出来る限り小さな努力で叶えられる方がより良いと考えています。
人は時として、苦労して大変なものを乗り越えなければならないときもあります。私もそう思います。
しかし、簡単に済むならそれ以上のことはないと思うのもまた普通のことです。
悩みというのは、得てして自分のことよりも他人の方が、対策法がよくわかるものです。
人は悩みの当事者になったとき、その本来の能力は発揮されにくい生き物なのかもしれません。
以前に、日本ブリーフセラピー協会の学会へ参加させていただいたとき、長谷川啓三代表は心理療法の目的をこんな風に簡単に言っていました。
それは「わかっちゃいるけどやめられないことをどうにかすること」
つまり、自分でもどうしたら良いのかわかってはいるけど、どうもそう簡単にはいかないというのが悩みの素なのかもしれません。
というわけで、そんな状況をどうしたらよいのか、最近、私の中で流行りのカウンセリング法がありますので、簡単に紹介しておきます。
これは一つの例ですが、最近あるクライアントにこんな質問をされました。(実際の会話のやりとりを要約しています)
クライアント(以下「ク」と表記)「何でも押し付けがましくてどうしても苦手な人が居るんですが、どうしたら良いですか?」
私『貴方は普段どうやって接してるんですか?』
ク「めんどくさくなるので、できる限り話さないようにしています」
私『でもそうもいかないときもあるでしょう』
ク「そうなんです。だから相談に来たんです。」
私『なるほど。では私の質問にちょっと考えてみてください。”貴方のような人”が、押し付けがましい人に悩んでいるとします。その”貴方のような人”から相談されました。貴方はどうアドバイスしますか?』
ク「私にはやってほしいこととそうでないことがあるんだとハッキリ言ってしまえば良いと思う」
私『面白いですね。さっき貴方が実際にやっている対策とは違う対策が出てきましたよ。では貴方が誰かにそうアドバイスされたとしたらどうですか?』
ク「本当ですね。でもそれができないから困っているんです。」
私『それもそうですね。では質問を変えてみます。その”押し付けがましい人”が貴方の何らかのコミュニケーションによって、貴方にとって望ましい気づきを得たとします。その時、貴方はどんなコミュニケーションをしたのですか?』
ク「…(少し考える)。”貴方のやっていることは素敵なことだと思いますが、私にとって苦手なことなんです。お気持ちは有難いんですが、穏やかに見守ってくれると嬉しいです。”と言われたのかもしれません。」
私『なるほど。また違う回答が生まれましたね。』
ク「そうですね。これならちゃんと話してみる抵抗が減りました。」
私『これで必ずしもうまくいくわけではないかもしれませんが、選択肢が広がりましたね。もしそんなに抵抗がないのであれば、実際にやってみてテストしてみたいのですが、どうですか?』
ク「そうですね。やってみます。」
もちろん、これくらいのことをコミュニケーション指導としてレクチャーするはたやすいことでしょう。しかし、実際には、クライアントの言葉から生まれた対策や表現の方が、クライアントにとって取り組みやすいものです。
カウンセラーが教えた言葉は、クライアントの中から出てきた言葉ではありませんから、付け焼き刃で使用するのはあまりに危険です。
クライアント自身が二人はどんな関係なのかを俯瞰して、クライアントが持ち得る資源を有効活用した対策を提供すること。
そういうことが大切なのだとつくづく思うわけです。
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