日本におけるブリーフセラピーのメッカとも言える、この国の発祥地・東北大学。
今年は11月23・24日と日本ブリーフセラピー協会の年次学術大会が開催されました。
日本におけるブリーフセラピーは東北大学から
こちら↓はその最前線でもある教育学部が存在する文化系総合研究棟。
初日は隣接する仙台国際センター、2日目はこちらでの開催です。
ブリーフセラピーの日本におけるスタートは1986年。
同大学名誉教授・長谷川啓三先生が、当時のブリーフセラピー最前線ともいえるソリューション・フォーカスト・アプローチを生み出したご夫婦、スティーブ・ド・シェーザーとインスー・キム・バーグのお二人を招待し、講演をされたところから始まったそうです。
今回の学術大会は、日本におけるブリーフセラピーの里帰りのようなものでしょうか。
実は私、初日朝の飛行機で、出発する空港を間違えるという事故に遭い、到着が遅れた為にこの話を聞き逃したのですが、長谷川先生のそんな大会記念講演から始まったそうです。
最終的に大会参加者数は2百数十名ということで、首都圏から離れた仙台で行われた割には、少し規模を増してきた印象があります。
こちらは、初日の仙台国際センターにて、そこに居合わせた大阪支部の方々とのショット。
今年もブリーフセラピーの事例を発表
年次の学術大会では、例年発表させていただいておりますが、今年発表させていただいたテーマは「主婦のキャリアチェンジ」というもの。
キャリアチェンジと言っても、一般的な仕事の変化ということとは違います。
最近キャリアという言葉は人生における役割全般を指す“ライフキャリア”を意味してきているもので、この方の場合も、仕事をすることもできれば、趣味の幅を増やすことや、家族関係における新しい役割を感じ始めることだって可能です。
お子さんは成人し、介護を必要とする父母への役割も終わり、いよいよ自分らしい人生を生きてみたいと思った奥様。
しかしそこには、これまで目を伏せていた、かねてからの微妙な家族関係が明るみに出てきます。
「果たして自分だけが、そのまま“自分らしさ”を追い求めて良いものか…。」
迷いの中で、ブリーフセラピーを基盤とする対人コミュニケーション講座を受講されます。
私はそこでの講師、相談者はその参加者という、臨床というよりは、カルチャースクールで起きてきた日常の変化に関する事例。
これまでは、重度のうつ病患者の回復例や、要保護児童対策地域協議会がDV認定家庭を解除するまでの過程など、どちらかと言えば激しい事例を提供してきたし、それが素晴らしいとも思っていました。
でもその概念は、ここ最近、少し変わりつつあります。
異常からの回復よりも、日常に潤いを与えたい
もちろん、そういった専門的なことができる治療家にニーズはあるだろうし、社会的な意味合いも強いでしょう。
しかし、そういった激しい事例となる前から、多くの家庭に潜在的な問題(冷めた人間関係)が存在しているわけですし、そもそもその時点でどうにかならなかったのかと、いつも後から思うわけです。
だからこそ、私の狙いはあえてのカルチャースクール事業。
問題が大きいからということではなく、人生を豊かにしたいからこそ、カルチャースクールに通われます。
今回は、私の主たる事業の一つである「心を学ぶ講座」に来られている方の事例を取り上げ、内容も専門的過ぎず、今回初めて来られたような方にもわかるようにまとめました。
ショートケースレポートということで、短い時間の発表でしたが、評判は上々。
大会長からは直接呼び止められ、
「こういう一般的な家庭に起きていることにアプローチできる事例が欲しいと思ってたんです。これこそ出会いたかったもの。今回の大会で一番印象に残るものになりました。」
との声をいただいたり、役員の先生方からも、後から興味深い視点とアプローチだったと高評価をいただきました。
こちらは発表後、一安心したときのショット。
大阪支部からブリーフセラピストが2名誕生
学術大会初日の夜には、毎回懇親会にて、ブリーフセラピスト資格審査を含む各種授与のタイミングがあります。
今回、ブリーフセラピーの生き字引とも言える長谷川啓三先生から直接資格認定証をいただかれたのは、大阪支部から2名。
大西さん、沢口さん、本当におめでとうございました。
支部長としての務めも果たすことができ、安心しました。
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JUGEMテーマ:ブリーフセラピー
- 2019.11.27 Wednesday
- 日本ブリーフセラピー協会大阪支部(短期療法を学ぶ会・大阪)
- 14:53
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