今回のテーマは「タスク管理」。
私達の人生には、いつも「やること」が存在しています。
人がこのことと効果的に関われるかどうかは、人生の質にとても関係しているでしょうし、プロジェクトの進行、業務遂行能力、経営、ひいては家族関係や恋愛などにも影響するのではないかと思わされます。
改めて、このことについて、授業の様子だけでなく、少しここに書き残しておこうと思います。
先にも書きましたが、どんなビジネス上のプロジェクトにも、必ず日々のタスク(やるべきこと)が存在しますし、それだけではなく、どのようなプライベートな項目も、やはりタスクの連続です。
人生はやってやってやるしかなく、やらないという時間は、やはり代わりとなる何かをやっているということになります。
つまり、私達の人生はタスクに埋め尽くされている。
しかし、多くの場合、このタスクと効果的に関われてはいないのが、私達の実際のようです。
人から見れば憧れるような実績を残している誰かであっても、当の本人からすれば、タスクの山に埋もれ、望むようにスケジュールを進捗させられることはできていないことが多いのも、そういった方々への援助やインタビューを通じて、見聞きしています。
そしてここで是非ともお伝えしておきたいことは、この“実際”の方なのです。
私の知る限り、ほとんどの人は、タスク管理がうまくできているわけではない。
なのに、何か実績を残している人は、タスク管理がうまいように、私達は勘違いをしてしまっているのかもしれません。
ここでお伝えしたいのは、それは幻想だということ。
大きくは2つの幻想が存在しているように思いますので、それについて書かせていただきます。
そして何かがちゃんと達成するためには、プロジェクトが効果的な計画性を持って運用され、「plan⇒do⇒see」がその都度効果的に行われ、気分良くタスクをこなせていると思ってしまっている。
でもそれは本当なのでしょうか。
私も、自分の仕事の規模が進捗してきたことはわかりますし、収入も上がりました。
この仕事をし始めた初期には出会えないような人と関係を持てるようにもなり、頼っていただける人の質も上がってきました。
しかし、タスク管理がうまくなったと思えたことは、基本的にありません。
ただ、成長したと思えることはあります。
それはやりはじめの頃とは、こういった文章を打つスピードが違いますし、講座講師では基本的にレジュメなどなしで何時間でもやりきれる知識ボリュームを持つようになりました。
つまり、タスク管理は一向にうまくならないが、専門性の向上と、それにともなう特定分野でのスピードが上がっているだけで、計画性が上がったわけではありません。
ノーベル賞を受賞した科学者や世界経済のトップにいる人達を調べても、そこには注意欠如多動性障害(ADHD)の人が、それなりの比率で散見されますし、そういった人たちが計画性とタスク管理に長けているとは、やはり考えられません。
なのに、どうして多くのことがこなせているのでしょうか。
次に「ちゃんと計画したら、それにモチベーションがついてきて、できるようになると思われている点」についてです。
実はこれはとても多くの援助をしてきた立場として言わせてもらえば、人はちゃんと計画したものを本当にやりたがりません。
これは心理的に言えば、「支配への抵抗」であり、決めたからこそ、心理的抵抗が強まり、やりたくなくなってしまうのです。
私は、「人は誰もがその中心に善を持っている」という性善説よりも、「誰であっても怠慢や逃避、快楽などに流れやすい性質からは逃れられない」とする性悪説の方が実際的だと思っていますし、私自身もそう自認しています。
これについては、随分前にこのブログで一度書いておりますので、久しぶりに見直してみました。
ご紹介しておきます。
⇒ 性悪説こそ真実?
ならば、どうやってこの心理構造に逆行するような、本当はやったら良いのにやれない重要なタスクを進めて行けば良いのでしょうか。
計画性が幻想だなんて、ひどい表現だと、自分でも思います。
その答えは、シンプルに言えば、「計画性=タスクの実行率」という式で論理を繋がないことだと思います。
人の行動原理は、内発的な動機よりも、圧倒的に他者からの強要や、仕方がなくやらないといけないこと(拘束)の方にあるのが実際ですし、単になんか始めてしまったという“理由のないきっかけ”だったりします。
「 内発的動機 < 拘束+きっかけ 」
なのです。
それが実際なのであれば、それを現実的に人生やプロジェクトへ取り入れることはできないのでしょうか。
世に言う成功者や、複数プロジェクトをまたにかけて運用している天才(と呼ばれる人たち)などは、それを自然にやっていると思いますし、そこが今回の授業で行ったところでもあります。
これについては、次のYouTubeライブで、その入口部分をお伝えしようと思ってますので、下部の「こころのミカタ」チャンネルを是非チャンネル登録しておいてください。
次回YouTubeライブは、10月23日(金)21:30〜22:30の予定です。
各内容の詳細は、写真のリンク先からご覧ください。
10月25日からは日曜日の月2回・半年コース(17期)が開催されます。(申込み受付中)
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「そんなわけないだろう…と思ってました」
今日いただいた率直なお言葉。
『「この講座はセラピストになるための講座だけど、自分の人生が変わりました。」
みんながそう言うんです。
そんなみんながみんな変わる?
そんなわけないだろう。
疑うわけでもないけど、信じられるわけでもない。
でも今日、それが自分にも実感できました。
私なりの生き方が、こうやって見えてくるものなんですね。』
人の人生は大抵、親からの庇護を受け、自立していく。この時、親も同時に子離れをせまられる。
自立後、親と子は、別々の意志を持つ大人同士の人間関係となり、互いが情報提供はしつつも、選択は本人に委ねられるようになる。
といっても、そういう精神的な発達は必ずしもセオリー通りにいくものでもない。
発達系の心理学者はそこに愛着障害的なこだわりを親子間に見定める。
事実、それは障害として人生の壁になっているのか、それとも単にそれぞれが執着してるに過ぎないのか。
私はその真実を語れる立場ではない。
ただ、“自立”という言葉には、その言葉通りに生きても良いという意味が込められてるようにも思う。
自立とは、自らの意志に従って前に進むことであり、それは間違いなく依存でもなければ、服従などでないことは当然なのではないだろうか。
ならば、子は大人になるに従い、良い意味で親の期待を裏切り始める必要がある。
「この子は思うようにもならないが、それはそれでうまくやってもいくようだ。私の示した道だけで幸せになるわけではないのかもしれない」
そういう気づきが親側にとっても子への手を離させてもらえる。
一昔前には、親の関係を完了するという話をよく聞いた。
あの頃はその意味が今一つわからなかったが、今は自立した大人同士の関係に昇華することを言っていたのではないかと思える。
そこには互いの生きる、自分らしい道の発見というボーナスが待つ。
これを実感するワークをセラピスト養成講座にも取り入れている理由は、それを自ら感じずして、援助の方向性は掴み切れないから。
私自身、まだまだそこを掴めているわけでもない以上、自戒を込めてこのことを大切にしていきたいと思う。
勇気を持って自身と向き合ってくださった受講生の皆様、本当にありがとうございました。
心匠セラピスト養成講座の詳細はこちらの写真からリンク先をご覧ください。
8月からは水曜日の月1回・1年コース(16期)、10月25日からは日曜日の月2回・半年コース(17期)も開催されます。(申込み受付中)
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JUGEMテーマ:メンタルケア
今回はその受講生達の声も交えて、授業をご紹介させていただきます。
「家族とのことで抱えてきたしんどさが、この日以来、すごく楽になったのが本当に不思議でした」
これはトラウマケアの体験付授業の後で聞いた受講生の感想。
この講座は、前半に心理療法の技能講習的な要素が続き、後半にはトラウマケア、自分のパーソナリティ分析などが入ってくる。
といっても、私はあくまで短期療法家であり、そういったゆっくりを自己を見つめ直すような方法が、私にとって心理援助の中心ではない。
短期療法では、その人の行動やコミュニケーション、環境や考え方などに変化を加えることで、短い期間で現状を変えていくことを大事にしているのだから。
しかしあえてそこを見つめるカリキュラムを加えている理由は、短期療法をやるにも、ブレのない心理的な軸のようなものは問われていると思うから。
この講座を受けた受講生の多くが、
「技能講習だと思って通い始めたけど、自分のことを理解するようになった」
とか、
「自分のこれからの生き方が見えてきた」
という言葉を口にされる。
かといって、「人はこう生きるべきだ」と私が語ることは基本的にない。
一部体験的な学習としてワークをしてもらうことはあるが、その殆どは「何が人の悩みを解決し、人生を豊かにするのか」を知識としてレクチャーし、それを人に実践する方法を伝えているだけ。
そもそも最近の受講いただく動機には、セラピストとして生計を立てていきたいという以外のものも多く、心の世界に強い興味があったからというだけのこともある。
それがどちらだとしても、知識や技能だけではなく、自分の人生が実際に変わってくるというのは予想外だったりするのかもしれない。
1期を開講したのは2013年。
15期(平日コース)の皆様
こちらは14期(日曜コース)
オンライン同時中継での開催もあります
オンラインでも積極的なご参加をいただきました
既に7年が経ち、次の開講では、16期(平日コース)と17期(日曜コース)となり、これまでの受講生は53名。
現在受講いただいる方は、心理学初学者から既に現場を持っているカウンセラー、個人開業されているサロンオーナー、コンサルタント、心理学講師、OL、発達障害支援団体を主催されている方や整理収納アドバイザーさんまで、広い職種からご参加いただいております。
個人規模での開催にしては、よくぞこれだけ通っていただいることに感謝にたえません。
今後とも、受講生それぞれの人生に有益な講座として継続していけるよう、努めてまいります。
心匠セラピスト養成講座の詳細は、こちらの写真からリンク先をご覧ください。
8月からは水曜日の月1回コース(16期)、10月からは日曜日の月2回コース(17期)も開催されます。(申込み受付中)
日曜コースは10月辺りの次期を予定中です。
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もちろん、全てにおいて短期解決を促せたわけではないですが、短期に悩みを解決できた事例には、ある程度の共通項があると思っています。
今回の記事では、過去の心理カウンセリングの事例を紹介しつつ、悩みの短期解決ができていくときの共通項について、書かせていただこうと思います。
終わりには、現在進行中の「心匠セラピスト養成講座」授業についてものご紹介もさせていただきます。
私自身の最近の動向として、精神科ドクターとの勉強会なども増え、触れる事例の数が更に拡大してきています。
心理カウンセリングには、心の症状を伴うものと、単に悩みに向き合うものの両方が存在しますが、本来問題解決に当たって、この両者を分ける必要はありません。
悩みに希望を見出していくために必要なことは、どのような悩みでも、どんな症状を持っていても、ただ一つだからです。
それを一言で言うなら、「”人”も”自分”も”悩み”も、変えようとしないこと」に尽きます。
変えないというのは、ちょっと違和感のある言葉かもしれません。
その理由もよくわかります。
なぜなら、現状に問題があって、変えたいと思うのは当然だからです。
しかし、どれだけ現状を変えたいと思っていても、多くの人にとって、実際に自分が変わってしまうことには、抵抗があります。
それが何故なのかを、ここで語るには長くなりすぎるでしょう。
ただし、シンプルに言えることもあります。
その一つは、
「意志としては変わりたいと思っていても、それまでの精神的習慣がそれを拒んでくる」
ということ。
そしてもう一つは、誰であっても
「変わることに抵抗はあっても、幸せにはなりたい」
ということです。
ダイエットの為に、生活を変えたくはないけども、痩せたいということはあるかもしれません。
自分が変わりたくはないが、相手には優しくなってほしいと思うこともあるかもしれません。
一生懸命学んで真面目に働きたくはないが、お金は増やしたいかもしれません。
ここで言いたいことは、それが悪いという話では決してなく、逆に、人はそういうものだということです。
このことを、私自身、カウンセラーとして、
「そのままでかまわない」
と思っています。
これを、私が専門とするカウンセリング理論である「ブリーフセラピー」では、
「短期解決の前提は、人格的成長を求めないこと」
と表現しています。
逆に、人格的な欠損と問題が続いてしまうことには、あまり因果関係を認めていないのです。
今回はその説明となりそうな、過去事例の一つをご紹介させていただきます。
以前、自分が上司として、あまりに仲の悪い部下同士をどうしたら良いのかという事例に対応させていただきました。
この話に、部下の人格的成長を求めるなら、それぞれの心理を、お互いがよく理解し、打ち解けることが必要とされるのかもしれません。
上司自身も、それぞれには言い分があるのだと、互いのよき理解として、絶妙な仲裁ができることを求められるかもしれません。
この場合は、上司の人格的成長を求めるということになります。
しかし、実際にそういったアイデアが、思うほどうまくいくものではないのは、多くの人が知るところです。
うまくいかない二人を、うまくいかせる潤滑液のような対応は、なかなかに難しいものです。
この事例で私がカウンセラーとして提案したのは、「まだ悩みが小さい間は、うまく二人の間に入れないのでは?」というもの。
また、
「あなたの微妙なお二人への関わり方は、二人の関係を悪化させることには成功してるわけですね?」
と投げかけてみました。
事実、このアドバイスが功を奏し、人事異動を伴う形で、この話は決着していきます。
理想的な解決だったのかどうかは、私にもわかりません。
というよりも、理想を追いかけすぎるからこそ、解決しないで悪循環にはまりこむ事例が、かなり多いのです。
何でも難癖をつけてしまう理想の高いAさんと、どうしてそこを間違うかと疑問がわくほどのミスをしてしまうBさんは、水と油だった。
しかし、一人ずつを見ると、それぞれに良いところがあり、ちゃんと仕事としても成立しています。
できるならこの二人は一緒にすべきではない『混ぜるな危険だ』と多くの人が認識しつつも、それを簡単に人事異動などできる話ではない。
しかもこの二人の間に入ると、Aさんに上司が怒られ、Bさんにはたくさんの言い訳を聞かないといけなくなる。
これでは上司の仕事のパフォーマンスも落ちてしまいます。
だから自分もあまり深くは関わりたくはない。
このことは、逆に人間として、無理もない発言だと思いました。
それを聞いて、私が言ったのは、
「安心してください。貴方がほっといても、ちゃんと問題は大きくなってきて、人事が介入しないといけなくなってきます。その前に人事側へ根回しを怠らないようにしてください(笑)」
というもの。
一瞬、
「え!?」
となりましたが、その後、本人も笑いながらこのアドバイスを受け入れ、結局はほどなくして、二人の職場は分かれることとなるのです。
「そうですね。たしかに、どうにもならないものを、どうにかしようとしていたのかもしれません」
それが本人から出た言葉。
この後、上司がこのアドバイスで実際にやったことは、人事側へ「この二人が一緒にいるのは生産性を落とす」と正直に伝えにいったこと。
二人の間に入ることには抵抗があったが、自分が人事へ伝えにいくことはできたという話です。
「上司ならば、それではダメです。ちゃんと二人と向き合って、機能させていくことを求められているはずです」
心理カウンセラーが言うべきは、そんな道義的なことなのか。
その答えは簡単です。
それでは、この上司の心理自体を受け入れていない、強引なアドバイスになるだけでしょう。
この話で、私が伝えたいことは、誰もが自分の悩みを解決するときに、
「できないことをできるようにしないと問題は解決しない」
という論理にはまりやすい傾向があるということ。
実際に、そんなことは決してありません。
できることの中で、まだやっていないことは、たくさんあるのです。
喧嘩をする二人から目をそらし、自分が責任逃れをしているような上司の対処は、一見すると人格的に問題だと思われるかもしれません。
しかし、そんな中にうまく入っていける人の方が多いとは、私は思いません。
そういったことができるようになるには、誰でも長い時間がかかるのです。
人格的成長を諦めろという意味では決してなく、成長を長い目でちゃんと考えるからこそ、今すぐにでもできる対処もちゃんと考えていくということ。
「今回のことは、私に人というものを学ばせる良い機会になりました。これから人間心理などのことを、深く学んでみたいと思います。」
というのが、相談最後の言葉だったのは、やはり長い目で見た成長にも、意識が持てたということなのだと思います。
私が主催する心匠セラピスト養成講座は、心の構造を深く学び、理解していきます。
心の実際に見合うからこそ、短期解決を促せるだけでなく、深く心の対話が可能になります。
受講する人は、カウンセリングを仕事として考えている人はもちろん、仕事の経営者やマネージャー職の方、占い師や心理系の講師を目指す人、美容関係の人やコーチングのプロなどなど、本当に様々です。
※言葉や音に集中しているので、眠ってはいません(笑
※心匠セラピスト養成講座でのカウンセリング実習。短期解決を促す為のアドバイスを適宜入れていきます。
こちらは、現在進行している2つの期(日曜コースと平日コース)を受講くださっている方々。
※希望される方には、オンライン参加が可能
心匠セラピスト養成講座の詳細はこちら
8月からは、水曜日の月1回コースも開催されます。(申込み受付中)
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「お願いがあるんです。どうやったら目標を実現できるのか、講座でやってほしいんです。」
当時、まったく知名度のないNPOの理事長をやらせていただいていたことなどが、私を成功者と思わせていたのか、まるで私が何か大きなことを実現しているかのようなお願いだった。
しかし、少なからずそれを目指すコーチング契約などを引き受けていたこともあり、その大原則のようなものを口述してみようと、内容を考えた。
とある成功法則によれば、望む結果を導き出す為に必要なことは3つだけだという。
1.何を望んでいるのかを詳細に理解している。
(ゴールが見え、その臨場感がある)
2.それを実現するだけの資源(特にその心理的感覚)を持っている。(マインドセット)
3.あとは実現するまで、その都度違うやり方を試し続ける。
これが頭に浮かんでいたので、ならば「全3回で引き受けます」と言ってみた。
15名ほどの規模だったが、一先ず満席でスタート。
その名を「セルフチェンジプログラム」と名付けてみた。
これまでの人生とは違う何かを実現する為のプログラム。
やってみたところ、思った以上の反響と、受講者それぞれの人生に、少なからず変化が始まったことがわかった。
ある人は精神疾患で休職していたが、退職して転職を決めた。
ある人は資格を取りにアメリカに渡った。
ある人は離婚して新しい人生が始まった。
変化は単に変化であり、それが良いか悪いかを安直に判断はできない。
しかし、
「当人が目指す人生の為には避けられないことを、勇気を持ってチャレンジする」
そんなことを促している気がした。
このプログラムは、一旦そのままお蔵入りしたが、開業後に2つめの要素(心理教育)を大きく拡大してリニューアルして実施。
これが後に、今の「心を学ぶ講座 心理編〜自己の旅〜」として心理知識面を強化して更にリニューアルされる。
親の期待に応えることをやめ、自分らしく生きると開業された人。
何でも手をつけるわりに何も大成しないと中途半端な自分を卑下することをやめ、そのまま起業し、新しい人生を開いた人。
文章講座を始めて人気を博している人。
何かを始めた人だけではなく、やめることをで新しい踏み出しに入った人もいる。
続けているうちにコロナ禍が来た。
講座とカウンセリングが主体の私は、事業の強引なオンライン化を迫られることになった。
オンラインは対面とは少し臨場感が違う。
対話も同じようにはできない。
目の前に居ればできる複雑でまどろっこしい説明も、端的に集約されないと、うまく伝わらない。
「ならば同じ講座をオンラインに適した形に作り変えよう」
流れる精神は変わらない。
届け方はいつも、“今”に合う方法で。
そんな想いと流れが生んだオンライン講座。
全3回。
ご興味のある方は、詳細をご覧下さい。
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ステイホームを全世界的に掲げたコロナ禍は、まだまだ人との交流を大胆には促せない。
生活の中で、自分が何をしてもそれを見てくれる人が居るわけでもない場合など、寂しさや虚しさが募ることもある。
良くも悪くも、人は人と共に命を繋ぐ存在。
そんな苦しいにどう応えていくのかが、心理カウンセラーとしても求められること。
昨日はオンライン期間限定特別講座「心の免疫力」最終回。
そもそもストレスとは何なのか。
私たちが考えがちなストレスという考え方に、誤解はなかったのか。
そういうところから始まる前半のレクチャータイムと、対話形式でレクチャータイムへの質問や、ご自身の現在抱える状況に対してアドバイスしていく後半の二部構成。
特に後半では、最初に書いたような悩みにも、実際にこれからご自身で何をしていけば良いのかなどをアドバイスすることもある。
大切なことは、今どういう心境なのかということ以上に、どういう状況がそういう心境にしてしまっているのかということ。
人は、肉体を持った生物学的な存在であると同時に、心を持った心理学的・人間関係に囲まれた社会学的な存在でもある。
これをBio(バイオ:生物)、Psycho(サイコ:心理)、Social(ソーシャル:社会)の頭文字をとった人間の見つめ方としてBPSモデルと呼ぶ。
心理的な苦しみも、生物的な健康要素や、社会的な人との繋がりを調整できれば、緩ませることもできる。
私と相談者との対話を見ていたカウンセラーの方からは、終了後のアンケートに「問題の解決方法が具体的によくわかりました」と言ってくれた方もいった。
しかも、その解決のヒントは心がそもそも持っている免疫力を、うまく使っていくことで促進される。
「夫婦のパートナーシップを見直していきます」
それが最終的に相談者が言ってくれたこと。
自分の中に起きてくる孤独感は、意外にも近くの人との関わり方が関係していたという気付きがあったらしい。
多くの場合、人の相談をきくときには、その相談者の言葉だけに頼ってしまいがち。
どんな周辺状況がその言葉を言わせているのかに注目することは、実際的な解決を図る上で、とても大切なことだ。
夫婦がどんな関わりをしているのか。
独りで過ごしているときにはどうしているのか。
買い物くらいはいけるのか、もっと厳しい孤独を強いられているのか。
昔からの知人と連絡をとることはできるのか、そうではないのか。
それによって追い込まれている心理状況が、より具体的に浮かび上がるだけでなく、何をしていけば実際的な変化を促せるのかがわかる。
先ずはその苦しみに対して、決して批判せず、そんな状況があるならば苦しくて当然だと、理解を示すこと。
その上で、
古い友人たちと連絡をとってみること。
パートナーシップをこれまでと違う形で取り組んでみること。
一人でできることも大切にしてみること。
その一つ一つが、少しずつ効果を出すと理解できてきたとき、これまでとは違う光を、心が感じ始める。
イベントとしてセラピーライブとは違うけれども、こういう対話をオンラインでも見ていただけたのは、意味があったのかもしれないと思う。
コロナ禍を意識した期間限定の特別オンライン講座「心の仕組み」は今回で最終回。
全6回の殆どを満席で開催することができ、総勢55名ものご参加をいただきました。
時代のご関心を強く感じさせていただくと共に、こういったオンライン講座の価値も改めて痛感致しました。
また今後の展開に生かしていこうと思います。
ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。
心の免疫力講座は今回で最後となりましたが、より深く、人間心理とは何かを知ることのできるオンライン講座を用意させていただきました。
詳細は画像からクリックしてお確かめください。
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あるご夫人のカウンセリングを引き受けていた矢先、その方のご主人が「医師でもないのに、治療にならないでしょ」と乗り込んで来られたことがある。
「心理カウンセリングは、何が辛いのかを聴くだけでしょうから、それでは何も変わらないはずです。」
きっぱりと言い切られたご主人。
実は私もそう思っている。
というのは、業界批判的になってしまうかもしれないが、多くのカウンセリングがそういう実態なんじゃないかと思っているからだ。
ご意見への明らかな同意と、だからこそ実際上の効果を出していく為に、心理カウンセリングが本来何をしていかないといけないのかについての対話が続く。
結果、ご主人はご夫人の心理治療の賛同者となり、家庭の中にも治療チームが生まれることになった。
何を根拠にどういうアプローチをして、解決させていくのか。
それをハッキリと言いきれるカウンセリングでないと、意味がないと思う。
心匠セラピスト養成講座アドバンスコース5期が開講し、今回はその初回授業。
ベーシックコースを受講された人だけが対象者の限定コース。
このコースはとにかく実践してもらいながら、相談援助者としての資質を高めてもらう。
やってもらいながら、「そこをちょっとこういう言い方にしてもらっても良いですか?」とか「今カウンセラーとして思っていること教えてもらえます?」というようなやりとりをし、即座に相談者から違う反応が返ってくる対話法があることを体感していってもらう。
相談者役も、自分の変化を体感できるから、一挙両得。
実のところ、心理カウンセリングのトレーニングは、聴き方についてのものが多く、語りかけ方は少ない。
しかし、実際に問題を短期間で解決したかったら、語りかけ方に強くならなければいけないのは当然。
しかもそのヒントは、常にカウンセラー側が思っていることの中にある。
ある意味、援助者側が思ったことを、効果的に口にできるかどうかが、悩みに短期解決を起こす秘訣なのだろう。
とにかくここでは、それの実践実践実践。
概念の学びは使えてこそ意味がある。
ここからの1年間、共にカウンセリングの道を探求できる同志が入ってきてくれたことを、ありがたく思います。
心匠セラピスト養成講座の詳細はこちら
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その中で、気持ちを感じすぎる人や、人の悩みを聞く仕事で、それを家にまで持ち帰ってしまうような人は、心理カウンセラーや援助職に向いていないのかという話が出たので、今回はそのことについて、取り上げさせていただきます。
「人の気持ちを感じすぎる人はカウンセラーに向いてないのでしょうか」
期間限定で行っている特別オンライン講座「心の免疫力」で、参加者から出た質問の一つ。
それが向いてる性質なのかどうか、実際にはわからない。
ただ、あまり人の気持ちを感じない人がカウンセラーになっていたとしたら、相談した側の人にすれば、打って響かない人に話し続けるようなもので、逆に意味がないのではないか。
そしてお伝えしたことは、「そういう人にカウンセラーであってほしい」ということ。
人は自分の気持ちを感じてくれる人によって、癒やされるものだから。
加えて、「これまではそれに対処できる手段を持ってなかったのではないでしょうか。人の気持ちを感じすぎ、それを家にまで持ち帰ってしまうという性質に、ちゃんと対策をとっておけることで、続けやすくないのだと思う。」と伝えた。
ストレスでも同じことが言われている。
ストレスがあることが問題なのではなく、ストレスを感じてしまうことが問題なわけでもない。
ストレスを感じない人など、人間味が感じられなくて、切ないことだと思う。
やはり大切なのは、ちゃんとそのストレスへの対処(ストレス・コーピング)ができるということ。
それができるなら、ストレスがかかってくることを恐れる必要はない。
だから私は、カウンセラーとして、対処行動をちゃんととっていけるアドバイスに力を入れている。
今回も全国各地からのご参加で、特に東京方面からの参加が目立っていました。
各地からのご参加、誠にありがとうございました。
オンライン講座だからこそ、距離を気にすることなく開講できる。
これもまた、コロナ禍が生み出した新しい価値なのかもしれません。
ストレスへの心理的対抗策をしっかりと手にすることのできる、期間限定特別価格のオンライン講座「心の免疫力」は、次回(6月2日火曜日)で最後の予定です。
詳細は画像をクリックしてご確認ください。
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JUGEMテーマ:心、体、そして魂。
心匠セラピスト養成講座とその先のアドバンスコースを受けた方だけが参加できる。
この講座は1年通して講師力(プレゼンテーションのパフォーマンスや講座企画力)などを高めることが目的。
8回目の今日は、それぞれが独自の色を発揮し始めてくれていることが伝わってきた。
心理カウンセリングに言及する人
生き方と対人関係
緊張との向き合い方
など、テーマが本人の通ってきた人生と重なり合うもので、どれも聴きごたえがある。
そして全員に一貫されている大きな題目は、自分を自由に表現し、それを資源として生きること。
おそらくわざわざ心理学を学んで、それを生かして講師になるなら、そこを抜きにしては「ウィンナーの入ってないウィンナーパン」だ。
あえて聴衆に歌ってもらい、講師がそれに酔いしれるという場面まで登場。
想定の斜め上を行くオリジナリティに、笑いと興奮が止まらない。
心匠セラピスト養成講座は、こちらから詳細をご覧いただけます。
(次期開催は、平日・日曜共に9・10月辺り)
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JUGEMテーマ:生き方
今回のブログでは、相談者の心理ケアにこだわる心理カウンセラーとして、こうした不安に心理的にはどのように受け止め、どんな心の備えをしておくことが、無駄な悪循環を減らし、心豊かな未来に向かっていくことができるのかについて、動画を配信させていただく準備が整いましたので、ご紹介させていただきます。
私はもともと代替医療の現場にいました。
そこから末期がんや重度の精神疾患患者の回復をどのようにサポートできるのかについて求めるうちに心理学へ手を伸ばし、社会人になってから転職して心理カウンセラーとなります。
これまでの臨床経験は、代替医療の頃から通算して述べ約8000件。
そもそもが心理学を履修した大学からのスタートではない為、余計に少しでも確実に相談者の変化を達成していける理論と実践にこだわってきました。
そして、短期間での心理症状の軽減と回復、人間関係改善を得意とする短期療法(ブリーフセラピー)の専門家として、今は活動しています。
現場にこだわるなら、今は余計に、私が時間を切り売りして対応する個別の心理カウンセリングよりも、こういった動画配信などの形で、自分の相談者にするような話をお届けする方が意義が大きいと感じ、この動画を撮影させていただきました。
撮影機器が素人じみたものばかりですので、見にくく、聞きにくいところがあるかもしれませんが、どうかご覧いただけましたら幸いです。
動画は、ここからご紹介する内容となっています。
現在のような、社会的な情勢が急に先行き不透明な状態になってしまうと、人の心理には、不安が増幅し続けてしまう心の仕組みが存在します。
その実際的な構造について、説明させていただいております。
実は、人間心理には単に先行き不透明な状況が抱える大きく継続的なストレスに対して、対抗できる素晴らしい機能が備わっていることがわかっています。
それはどのようなものなのかをご紹介しております。
ざっくりとではありますが、人がストレス状態からどのように回復し、力を取り戻していくのかについて、解説させていただいております。
今回の動画は、私が提供している無料メルマガ「こころの仕組み」にご登録いただいている方限定で、配信させていただいております。
新規でご登録いただいた方にも、自動的にこの動画が見れるリンクが入ったメールが届きます。
(以下からご登録いただけます)
今回お届けする動画に限らず、月数回ではありますが、現代の対するコラムや、日常に役立つ心理学、人間関係のあれこれ、イベント情報などを配信させていただいております。
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ブログにご注目くださっている方々、いつもご愛読ありがとうございます。
JUGEMテーマ:身体と心のケア
はじめまして、ブログへのご訪問ありがとうございます。
私は心理カウンセラーであり、心理教育家の上野大照と申します。
自ら心を鍛え恥ずかしくない在り方を提供したいという思いから、自身を心匠と名乗らせていただいております。
今回は、私が専門としているセラピー手法「ブリーフセラピー」について説明させていただきます。
日本では、カウンセリングによって心理的な問題を解決する方法のことを心理カウンセリングまたは心理療法と呼びますが、ブリーフセラピーは、その心理療法の数ある技法の一つです。
ブリーフセラピーには狭義の概念と広義の概念があります。
この分野にあまり詳しくない方には、少し専門的な言語が入った文章かもしれませんので、お許し下さい。
「ブリーフ」とは持ち歩きするためのケースをブリーフケースと呼んだりするように、気軽に簡単に短い時間で効果的なものを指す言葉です。
そういったブリーフの意味を持つ通り、ブリーフセラピーとは、従来の時間をかけて精神面を深掘りしていく心理カウンセリングとは違い、相談者が生活上で抱えている悩みを、できる限り負担をかけず、短期間で解消していく為の心理カウンセリング手法(心理療法)です。
カウンセリングに当たっては、もちろん相談者の心に寄り添い、共感的理解を大切にします。
しかし、ブリーフセラピーはそれ(心深く押し込めた正直な思いを言いやすくすること)だけを問題解決の手段とするのではなく、クライアントが抱える実際の問題を指示的で計画的に解消することに焦点を当てています。
そのためにブリーフセラピーでは、相談者に対し積極的な質問をすることで情報を収集し、具体的なアドバイスや提案をしていきます。ある意味、そこが最も他の手法と違うところと言えるのかもしれません。
ブリーフセラピーを知る為には、その重要な基本的考え方として、「解決志向」というものを理解しておくのが良いと思います。
簡単に説明するなら、
『問題が解決することは、必ずしもその原因と関係しているわけではない』
という概念だと思えば良いと思います。
これまでの人生によって抱えることになった深い問題ばかりに目を向け過ぎ、今抱えている状況や、これからどうなりたいのかを見出すことの障害とならないことに配慮している考え方なのです。
もし根本的原因と思われるようなことが解明されないままであっても、抱える問題が解決され、
『継続的に問題となっている同じ状態が起こりにくくなり、良い軌道が繰り返されるようになればそれで良し』
そういったスタンスの概念です。
この考え方に沿えば、それは全てブリーフセラピーだとする広い意味での解釈が存在します。そしてこの考え方は、別名ブリーフサイコセラピー(短期的心理療法)とも言われています。つまり、ブリーフサイコセラピーは広い意味でのブリーフセラピーであり、狭い意味でのブリーフセラピーもあります。
狭義のブリーフセラピーは、基本的な手法が限定されることで、統一的な短期解決モデルが示されているのが特徴です。
私は日本ブリーフセラピー協会という団体の大阪支部を任されていますが、こちらは狭い意味でのブリーフセラピーを扱っている学術団体です。
広い意味(広義)のブリーフセラピー(ブリーフサイコセラピー)と、狭い意味(狭義)のブリーフセラピーという点について、もう少し詳しく説明させていただきます。
狭義の概念は、人の日常に起こるサイクルの中には、起き続けてほしくない悪循環と、今は例外的だが今後も起き続けて欲しい良循環があり、悪循環を切断し、良循環を増やそうとする日常的なサイクルの変化に的を当てたものです。
これは文化人類学者だったグレゴリー・ベイトソンをチームリーダーとして世に出た『ダブルバインド理論(正式名:統合失調症の理論化に向けて)』がベースとなっており、ここから始まったコミュニケーションと病理に関する研究に端を発しています。
この研究から「コミュニケーションの語用論」として実を結んだコミュニケーション論では、精神病理について「病理はコミュニケーションによって維持されている」と定義されるに至ります。
これには、少し頭を柔らかくして考える必要があるかと思いますが、こういった例を考えてみてください。
ある学生が2年前から不登校になったとします。
この子はお母さんと二人暮らしで、2年前に父親とは離婚しています。
子どもはいつも何かを我慢しているような、何か言いたくて言えないようなそぶりがありますが、お母さんには何か本質的なことを言えないようです。
お母さんは、2年前に子どもの意見を聞くこともできず、離婚に至ってしまったことが、不登校の原因なのではないかと思い悩んでいますが、それについて子どもにたずねても返答がありませんから、問題としては袋小路です。
子ども側にとっては、それを口にできない事情もあるのかもしれません。
ここで、ブリーフセラピーが大切にするのは、この離婚というキーワードの方ではなく、そこから始まった2年間の親子間のコミュニケーションや、お子さんだけではなく、お母さん自身の心境や経験、周囲の人たちとの関わり方の方です。
つまり、原因として、そもそも問題を生んだ何かではなく、それをそのまま維持しているものに目を向けるわけです。
そこには悪循環が潜んでいると見立てます。
こういった事例の場合、「お母さんが聞き出そうとする」→「子どもが口をつぐむ」→「余計にお母さんが聞き出そう」→「いよいよ力を込めて何も言えないようになっていく」とするというような悪循環があるのかもしれませんし、「お母さんだけでこの問題に対処しようとする」→「子どもは窮屈になる」→「お母さんは孤独を感じどこかに相談する」→「子どもは見捨てられたと思うようになり諦めを強めていく」というような土壺にはまっていくような悪循環もあるかもしれません。こういった悪循環には、問題に対して狭い視野で向き合い過ぎている場合もありますし、避けて見ようとしないという本人の逃げが隠れている場合もありますが、今度はそこをお母さんに問い正しても、それに対してお母さんにとっての抵抗が強まるというように、なかなか活路が見いだせない場合があります。
そのため、悪循環を続けているコミュニケーションや環境、行動的な側面に目を向け、それをわずかにでも変えてみる(Do something different)ようにアプローチするのが特徴です。
また、日常には必ずしも悪循環だけが続いているわけではなく、先程書いた良循環も例外的に存在しているものです。
この親子の場合は、こういった問題を自然と意識することがなく、何故かうまく母子がうまく話せているようなタイミングが存在しました。
それは、家の中ではない場所で話をしている時です。
そこでは「最近部屋では何してるの?」とお母さん→「別に何も…」とお子さん→「これおいしいよ」とお母さん→「そうだね(少し笑顔)」というお子さんという具合に、それが特別良いという話ではないですが、家での雰囲気とは違う世間話が多少しやすいようです。
これは良循環と見立てて、これをヒントに何か拡大(Do more)できないかと考えてみます。
この事例の場合、外で話す機会をもう少しだけ創ってみることもできるかもしれませんし、お母さんとお子さんという閉じた関係や空間だけではないものが、必要とされているのかもしれません。
その意味では、2年間の話すらうまくできない関係性から、世間話ならできるという関係性に入るだけでも、問題を維持させてしまっている状況からは、少しずつ変化できていけるということになります。
要点だけをお伝えすれば、前記の悪循環を切断するアプローチ(MRIアプローチ)と良循環を拡大しようとするアプローチ(SFA)を活用する二大短期解決モデルを指して、狭義のブリーフセラピーと呼んでいます。
ブリーフセラピーは、上記のグレゴリー・ベイトソンを理論の父とし、その後、不思議にも既に複雑な問題の短期解決に成功しており、“魔法使い”とも言われた天才セラピスト、ミルトン・H・エリクソンを技法の父と呼ぶことで、二人の父が存在していると言われています。
エリクソンはそれまでフロイトの精神分析や、ユングの分析心理学などが主流だった心理療法の世界を覆し、非常識でわけがわからない謎の会話(コミュニケーションによる催眠)で治療していくという手法を編み出した人です。
彼の信念も前記同様、クライアントの実際生活上の問題を解消することにあったと言われています。
彼の治療は広範囲なもので、強迫神経障害やトラウマ、原因不明の各種神経症など、精神が原因と思われる症状のすべてに渡っていました。
また実際、殆どの問題を解消できるのではないかという精度の高さ(9割は顕著な治療効果を示したという話もあります)を誇っていました。
彼はクライアントが自分に居付くことを良しとはしませんでした。
実生活はセラピストとのものではない、リアルな生活空間や考え方の中に自分が入っていってはいけないのだと考えていたようです。
だからできるだけ短い時間で解消することに努め、結果として、それがブリーフセラピー創始に繋がっていったのではないかと思います。
彼の手法はアンコモン(非常識)セラピーとも言われ、その名の本をベイトソンの研究チーム員だったジョン・ウィークランドとジェイ・ヘイリーが17年の歳月をかけて研究し、出版しています。
それだけ当時の理論的な前提に、彼の手法を検討できる材料はなかったことを物語っています。
彼の心理業界への功績は、甚大なものがあり、ここでそれを書き記すことは到底できません。
そのため、ここではブリーフセラピーとの接点に当たる分に的を絞って解説させていただこうと思います。
彼はとても不思議な方法で、一見すると複雑な心理問題を解決させていました。
その一端を紹介させていただきます。
(筆者の記憶による描写なので、正確さを欠いている可能性があります。ご了承ください。)
<胃が悪い奥様(Aさん)>
ご主人のお姉さん(義姉)が入り浸る家に嫁いだAさんは、自分のつくった料理を「弟の好みではない」とか「栄養バランスが悪い」などと言って捨ててしまい、自分のつくってきた料理をご主人に食べさせ、食事中はリビングに入ってこないようにさせ、しかし、完璧な家事をしていないと盛大に指摘してくることが長期間続き、うつ状態になるだけでなく、義姉の顔を思い浮かべるだけでトラウマによる発作を起こし、吐き気を催してしまうという心理症状を呈していました。
Aさんはどこに相談に言っても解消されない身体症状を抱え、エリクソンのもとを訪れます。そしてAさんにエリクソンは、「それは運がいい。胃が悪いことは使えますね。」と言って、お姉さんが来るとわかったら牛乳を1リットルのみ、お姉さんが玄関から入ってくる瞬間にそれを吐いてかけてしまいなさい」と提案します。もちろんそんなことに最初は抵抗されますが、恨みが強くなっていたAさんにとっては、快感な解決法でもありました。
それを実行したAさんは、胃の悪さを利用することでお姉さんを家に寄せ付けないことに成功し、自然とうつ状態が解消していくということがありました。
これは後に、逆説的介入(パラドキシカル・アプローチ)と呼ばれるようになった技法であり、エリクソンは「問題は解決の材料として使えるもの」という独自の発想を持っていました。ユーモアをいつも愛していたエリクソンならではのものとも言えるでしょう。今では彼のアプローチの多くがコンプライアンス上実施できないとも言われますが、その発想法は現在のブリーフセラピーにも継承されています。
エリクソンが得意としていた手法は、そもそも催眠による暗示だったのですが、彼自身晩年には催眠をあまり使わなくなったと言われています。
その理由は、催眠でできることが、催眠誘導なしに普通の対話だけで提供できるようになってきたからではないかと、筆者は推測していますが、彼の催眠療法的技法は別団体(ミルトン・エリクソン財団)で手厚く継承されており、その点はブリーフセラピーと一線を画す(広義のブリーフサイコセラピーには入る)ものです。
しかし現地アメリカでは、この財団自体が、自分たちの手法をブリーフセラピーと称しているところもあり、ここに研修に訪れた日本人がブリーフセラピーとはミルトン・エリクソンが生み出した方法論だとしてそのまま輸入してしまい、国内でそのように書かれた出版物も多く出ています。
また、前記の良循環を拡大する視点を持つSFA(ソリューション・フォーカスト・アプローチ)※団体名はSFBTA(ソリューション・フォーカスト・ブリーフセラピー・アソシエーション)も、実はベイトソンのチームが生んだとも言える家族療法総合研究施設(MRI:メンタル・リサーチ・インスティチュート)とどちらが本当のブリーフセラピーかという名称論争を繰り返しています。
それぞれ別々の場所へ研修に行った日本人が、別々の経路で輸入した経緯を持つブリーフセラピーという名称は、日本国内で混乱を生んでいることも事実です。
日本ブリーフセラピー協会では、その辺りを厳密に(どれが正しいということではなく、そういった経緯があることを)伝達するだけでなく、前述の悪循環を切断するMRIアプローチと良循環を拡大するSFAによる二大アプローチをブリーフセラピーとし、その他の短期的心理療法は全てブリーフサイコセラピーまたはその他の手法だと表現していることを、再度お伝えしておきます。
ちなみに、2017年には日本にブリーフセラピーを最初に輸入した長谷川啓三先生とその意志を継承している若島孔文先生により、SFBTAの世界大会で、日本では二大短期解決モデルをどちらもブリーフセラピーだとして統合的に活用していることを、逆輸入的に発表しており、一定の評価を得たと報告がありました。
先にも触れましたが、ブリーフセラピーを語る場合、その基礎とも言える解決志向についてある程度理解しておく必要があります
解決志向とは、原因の特定は問題の解決とは無関係であるという考え方です。
それとは逆の原因論とは、問題が解決するためには、原因がわからなければ解決できないという考え方とも言えます。
そのため、原因論は問題の原因探し(過去)に注力しますし、解決志向は今の問題を状況として正確に捉えること(今)と、これからどうしていくのか(未来)というところにのみ焦点を当てます。
結果として原因論はどのような問題なのかという情報を多くに考えることになりますので、深い精神を探っていくという良い面がある反面、時間が長くなったり、問題が複雑化することもあります。
解決志向は、どのように解決するのかという情報を多く扱う為、どうしてそうなってしまったのかという反省を含むようなやりとりよりも、今からどうなったら良いのかについてを重視しています。
筆者としては決してそんなことはないと言いたいところですが、扱うセラピストによっては、問題について軽視しているように感じられるというデメリットもあります。
コンテンツ(問題の内容)をよく聞くこともありますが、プロセス(どのような状況が繰り返されているのか)をより重視しています。
それはブリーフセラピーが、日頃繰り返してしまっている行動の中に、解決のヒントがあると見立てているからです。
私が所属する日本ブリーフセラピー協会については、こちらをご覧下さい。
関西の方は、ホームページ内にある大阪支部(短期療法を学ぶ会・大阪)を私が担当させていただいておりますので、お声掛けいただけましたら幸いです
筆者は私見として、相談者が抱える既存概念を、意識的にも、無意識的にも変化を起こし、それによって相談者が望む方向に進むように支援することこそが重要だと捉えています。
期間も基本的には数回または短期間で解消していくことを目指して取り組んでおりますが、問題に対し、長期に渡る心理及び行動面の教育やコーチングの必要性を感じる場合、多くの回数をかけることもあります。
その解消能力は、先ず精神の症状として、うつ、トラウマ、OCD(強迫的な障害)、各種神経症などの問題、感情コントロールの問題、難病のストレス問題、不定愁訴、更年期障害、睡眠障害、その他ストレスを伴うあらゆる問題などに実績があります。
心理症状については、ストレスと無関係な症状はほぼ0だと思われます。そしてその日々のストレスに対して何らかの対策を必ず講じますので、どのような症状にも当てはまること援助をしていると自認しています。
また、現実的な問題として、お子様の不登校問題、家族間のDV、会社のパワハラ問題、中高生のいじめ問題、介護に疲弊した家族問題、借金問題、パチンコ・競馬などのギャンブル依存、地域住民同士のトラブルなども多く経験しており、そういった問題も数回または短期間で解消されるパターンを多く経験しています。ただ、やはり1割程は時間が予想以上に長くかかってしまったり、顕著な効果をお見せ出来るまでに至らなかったり、途中でカウンセリングを終結することとなったり、別の専門家へ紹介したケースもありますので、過剰な期待をしていただくわけにもいきません。
そしてセラピストの姿勢としては、ブリーフセラピーだけの単一的な型にとらわれない、自由で無型、統合的なセラピーであることこそが正しい姿勢であると判断しています。
セラピー(カウンセリング)をするに当たっては、一つだけ条件があります。
それは、直接的に会話ができることです。
エネルギー系やボディ系のセラピーではないので、言葉を話さないで行うことはできません。
その意味で会話がままならない状態での統合失調症や、重度のうつなどはお受け出来ないこともありますし、医師と連携の上で行うことが適切なこともあります
※筆者は3箇所の心療内科と提携させていただいております。
・さくメンタルクリニック 作田院長(日本ブリーフセラピー協会大阪支部会員)
・ふくだこころのクリニック 福田院長(日本ブリーフセラピー協会大阪支部会員)
・中西心療内科・内科医院 中西院長(日本ブリーフサイコセラピー学会会員)
各種心理教育講座やセラピーライブ(オープンカウンセリング)なども行っておりますので、ご興味のあるコンテンツがございましたら、それぞれの画像をクリックしてみてください。
ここまで詳しくお読みくださいましたこと、感謝申し上げます。
上野 大照
令和元年12月18日更新
月数回ではありますが、現代の対するコラムや、日常に役立つ心理学、人間関係のあれこれ、イベント情報などを配信させていただいております。
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JUGEMテーマ:ブリーフセラピー
今年は11月23・24日と日本ブリーフセラピー協会の年次学術大会が開催されました。
こちら↓はその最前線でもある教育学部が存在する文化系総合研究棟。
初日は隣接する仙台国際センター、2日目はこちらでの開催です。
ブリーフセラピーの日本におけるスタートは1986年。
同大学名誉教授・長谷川啓三先生が、当時のブリーフセラピー最前線ともいえるソリューション・フォーカスト・アプローチを生み出したご夫婦、スティーブ・ド・シェーザーとインスー・キム・バーグのお二人を招待し、講演をされたところから始まったそうです。
今回の学術大会は、日本におけるブリーフセラピーの里帰りのようなものでしょうか。
実は私、初日朝の飛行機で、出発する空港を間違えるという事故に遭い、到着が遅れた為にこの話を聞き逃したのですが、長谷川先生のそんな大会記念講演から始まったそうです。
最終的に大会参加者数は2百数十名ということで、首都圏から離れた仙台で行われた割には、少し規模を増してきた印象があります。
こちらは、初日の仙台国際センターにて、そこに居合わせた大阪支部の方々とのショット。
年次の学術大会では、例年発表させていただいておりますが、今年発表させていただいたテーマは「主婦のキャリアチェンジ」というもの。
キャリアチェンジと言っても、一般的な仕事の変化ということとは違います。
最近キャリアという言葉は人生における役割全般を指す“ライフキャリア”を意味してきているもので、この方の場合も、仕事をすることもできれば、趣味の幅を増やすことや、家族関係における新しい役割を感じ始めることだって可能です。
お子さんは成人し、介護を必要とする父母への役割も終わり、いよいよ自分らしい人生を生きてみたいと思った奥様。
しかしそこには、これまで目を伏せていた、かねてからの微妙な家族関係が明るみに出てきます。
「果たして自分だけが、そのまま“自分らしさ”を追い求めて良いものか…。」
迷いの中で、ブリーフセラピーを基盤とする対人コミュニケーション講座を受講されます。
私はそこでの講師、相談者はその参加者という、臨床というよりは、カルチャースクールで起きてきた日常の変化に関する事例。
これまでは、重度のうつ病患者の回復例や、要保護児童対策地域協議会がDV認定家庭を解除するまでの過程など、どちらかと言えば激しい事例を提供してきたし、それが素晴らしいとも思っていました。
でもその概念は、ここ最近、少し変わりつつあります。
もちろん、そういった専門的なことができる治療家にニーズはあるだろうし、社会的な意味合いも強いでしょう。
しかし、そういった激しい事例となる前から、多くの家庭に潜在的な問題(冷めた人間関係)が存在しているわけですし、そもそもその時点でどうにかならなかったのかと、いつも後から思うわけです。
だからこそ、私の狙いはあえてのカルチャースクール事業。
問題が大きいからということではなく、人生を豊かにしたいからこそ、カルチャースクールに通われます。
今回は、私の主たる事業の一つである「心を学ぶ講座」に来られている方の事例を取り上げ、内容も専門的過ぎず、今回初めて来られたような方にもわかるようにまとめました。
ショートケースレポートということで、短い時間の発表でしたが、評判は上々。
大会長からは直接呼び止められ、
「こういう一般的な家庭に起きていることにアプローチできる事例が欲しいと思ってたんです。これこそ出会いたかったもの。今回の大会で一番印象に残るものになりました。」
との声をいただいたり、役員の先生方からも、後から興味深い視点とアプローチだったと高評価をいただきました。
こちらは発表後、一安心したときのショット。
学術大会初日の夜には、毎回懇親会にて、ブリーフセラピスト資格審査を含む各種授与のタイミングがあります。
今回、ブリーフセラピーの生き字引とも言える長谷川啓三先生から直接資格認定証をいただかれたのは、大阪支部から2名。
大西さん、沢口さん、本当におめでとうございました。
支部長としての務めも果たすことができ、安心しました。
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ブログにご注目くださっている方々、いつもご愛読ありがとうございます。
JUGEMテーマ:ブリーフセラピー
11月13・14日、かねてよりお伝えしていた、人の根源的なテーマである“愛”についてのスペシャルワークショップを初開催させていただきました。
ホームページ(愛の旅 イベント告知ページ)でも、詳しく書かせていただいておりますが、愛という、誰もが心の深いところでは必ず求めている筈のものについて、それが的確に網羅された学びは、あらゆる心理学に存在していないと言っても良いくらい、愛についての標準的なものは示されていません。
その理由の一つとして、愛は決して座学で学ぶようなものではなく、人が生きて体験しながら無意識的に手に入れていくものであるのでしょうし、それはそもそも人に備わっている筈だとも言えます。
しかし、この世界の実態をあえて表現してみるなら、愛に満たされていると言えるのでしょうか。
私には、そうは見えていません。
それはもちろん、心理カウンセラーという職務上、悩みを聴く立場にあることで、そのように強調されてしまうところは否めませんが、大きくは国と国の政治的関係、地域や団体などの派閥、小さくは家庭の中にある夫婦、親子、兄弟や友人知人、自己の存在感(セルフイメージ)に至るまで、愛によって協調的な関係が築かれているとは、考えにくいのが現状です。
多くの人は、どこかで寂しさを感じているものですし、心の底深くに秘められた、言葉にするには問題になってしまうものを抱え続けています。
そういった世界にあって、愛についての普遍的な体験学習を、わずかにでも実施できないかと考えたのが、今回の企画でした。
端的に言えば、次の通りのワークショップです。
「このワークショップは、2日間のレクチャー・対話・実習・課題を通じ、愛という観点に全く新しい理解と突破をつくりだし、生きている体験をシフトする為にあります。」
先ずはこの抽象的な情報だけで、ご参加くださった勇気ある方々の、実際のご感想を一部ご紹介させていただきます。ご覧下さい。
「深く考えずに受講しましたが、1日目、2日目と周りの方から刺激を受けました。自分の身体と心がつながっていること、自分では分かっていない気持ちのこと、イヤだったことを受け入れ認めることなどが分かってよかったです。愛って深くて大きいですね。ありがとうございました。」
「一番の思いは“後悔”です。もっとはやくにこの場に出会えていれば、家族や友達、彼氏もこの講義内でのエッセンス1つでも感じていれば、今こんなに苦しいことは無かったのではないかと感じることが数え切れない程ありました。でもこの2日間で学んだこと、感じたことを少しずつ反芻して、これからの人生での人とのかかわり方にいかしたい、いかしていけるようになりたいと感じました。」
「いろいろなキーワードが、とても自分にヒットしましたし、ヒットしたものがより、事実ではなく自分の中に落とし込めていかれたと想います。自分の中でずっと、どうしようと感じていたことが、それが生まれたタイミングだったり、自分が選んでいった環境の中で、よりわからなくなっていて、でも、ワークのなかで「ここか!」と気づいて、そこにこれから向き合っていけることは嬉しい。どう向き合っていくのかの方法は、今は見えないけれど、取り組んでいきたいと想います。ありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。」
「充実した、とても濃い2日間でした。こんなにも、自分が心を閉ざしていたとは思っていなかったですし、こんなに恐れていたとは気づきませんでしたし、今回怖いことではないことが実感できて、とても心が軽くなりました。周りの人が自分を見て、強く影響を受けたように思いました。また、自分自身、大照さんや三恵さんや他の参加者から強く影響を受けました。大照さんにはとても感謝していますし、みなさんにも、とても感謝しています。ありがとうございました。」
また、小説にように起きたことを詳しく書いてくださった方もいらっしゃいますので、そちらもご紹介させていただきます。
「私には、とても大きな岩石が心の奥底にあるのを、昔から感じていました。表面の柔らかい雰囲気の内側に硬い殻があり、その奥はまた柔らかく、岩石はさらに奥で鎮座している感じです。
何を意味するのかわからず、決して触れてはいけないものだという気がしていました。
今日の講座の午前中、参加者のお一人が勇気ある自己開示をされたとき、私は身体が震え、言葉をまだ話せない頃の何かとリンクして目を閉じました。
お昼の休憩後、目眩がして、これは何か起きるかもしれないと予感します。
そして午後になり、ワークが再開しました。
意味を違えている間は、鍵を扱えない。
蓋を開けられないと思っている間は、鍵をあけることはできない。
理論に裏付けされた予測が様々に語られます。
身体も使いながら、感情と身体が繋がっていくうち、私は突然、岩石が崩れていくのを感じました。思考は追いつかなかった。身体から、ずっと押し殺していたものが噴きだしてきた。
何が起きたのか。まるで産声をあげたようでした。
講座を終えて、崩れた岩石の向こうから眩ゆい光が差し込んでいるのを感じました。岩石のカケラをみてみると、カケラも内側から光っていました。
「光あるところに光をあてる」
ブリーフセラピー(短期療法)の考え方ですが、通じるものがあり、そのものかもしれないとも思いました。
参加者の方々それぞれに、この旅のゴールがありました。ダイナミックに体感する方もいれば、静かに噛みしめる感じの人、鍵を手に入れた人など。
参加の方々と共にいなければ、私はここまで体験できなかったでしょう。
また私の場合、象徴の岩石が崩れるのに、これまでの6年の準備期間が必要だったのだと思います。
この光をどうするのか。扱い方にまだまだ慣れないですが、これからの人生の道標になる予感がしています。」
2日間全てのスケジュールを終え、多くの感情を体感し、それぞれが愛についての答えを得た最後の写真です。
私自身、これほどの素晴らしいことが起こるとは、想像以上でした。
それはきっと、参加者同士が自然に愛を深め合いながら、助け合うことが起きているからなのだと思います。
そして、このワークで行っていることは、詳しく書くことも難しいのですが、大きくは次のようなことです。
・深い信頼の中で語り合うことが許される体験
・人生を通じて心の深層に秘められた想いに気づけるワーク
・愛について、感情に関する愛、人間関係の中で育まれる愛、根源的な仕組みとしての愛をそれぞれレクチャー
・男女関係がもつれる要因と対策
・元の家族と生後の環境(生い立ち)の中で本来得られる筈のもの
・身体の心の結びつきを体感できるワーク
(身体を使った瞑想法)
レクチャーやワークはそれぞれ独立したものではなく、相互に関係し合って、徐々に愛についての体感が芽生え、参加者一人一人がそれぞれ違うところで、自分の中に眠る何らかのことに気づき始めます。
普段は裏方で頑張ってくれている上野三恵も、今回スタッフとして参加させていただき、愛に向き合う皆の姿勢にもう涙で前が見えないほどになっていました。
ある意味、それぞれが人生に、運命に、愛にどうやって向き合っていたのかを一番物語っているのは、彼女の姿なのかもしれません。
人が人の中で、本来あるはずの愛を心深く感じ取り、未来を生きる力として得ていく。
現在後悔している日程は、次の通りです。
<2期>
2019年12月21日(土)・22日(日)
<3期>
2020年 1月21日(火)・28日(火)※残席3名
ワークショップに関する詳細情報とお申込みについては、上記のバナー画像をクリックしていただくと、告知ページが表示されますので、そちらをご覧ください。
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JUGEMテーマ:心、体、そして魂。
先日集まったのは、それぞれ違う専門分野を持つ心理カウンセラーの3人。
それぞれカウンセリングを始めようと思ったきっかけ、経験、学んだこと、現在の活動が違います。
以前にも書きましたが、心理カウンセリングの分野は多くて数百、少なくとも代表的なもので100以上の流派があると言われています。
それぞれの学派に依って立つカウンセラーもあれば、幾種類もの学びを自分独自に、自分に合う形で組み合わせている人もおり、今回集まった3人のように、開業しているカウンセラーは大抵、後者の自分なりに組み合わせている人たちが圧倒的に多いと、私は捉えています。
その為、それぞれがどのような対象者に特化していて、どのようなアプローチを得意としているのかは、お互いにとって、とても興味のある話。
そしてこういったネットワークを持つことは、それぞれにとても意味のある目的もあります。
それは互いが自分の専門分野と違ったり、不得意な分野の相談者が訪れた際、リファー先(紹介先)を持つことができるからです。
私の場合、このブログで書き続けているように、ブリーフセラピー(短期療法)が専門であり、考え方や行動を適切に整えてみることで、現実に起きる現象を変えていこうとする手法が得意です。また、本人はもちろんですが、うつや不登校などの本人がこれない家族のケアも得意としています。
カウンセリングオフィスAXIA代表の衣川達也さんは、ギャンブルや性犯罪の加害者など、依存症のカウンセリングを得意としており、自分の合う生き方が見えてくることで、依存傾向や再犯率が著しく低下することが実証され、メディアにも多数出演、執筆活動にも精力的に取り組まれております。
衣川達也さんのプロフィール詳細はこちらをご覧下さい。
カウンセリングルームWILL代表の西橋康介さんは、対人恐怖症の克服を最も得意とされるカウンセラーで、その分野をご自身が乗り越えてきたからこその豊富な経験を持ち、彼もその専門性からメディア出演、出版、執筆活動と多忙を極めております。
西橋康介さんのプロフィール詳細はこちらからご覧ください。
お二人のご活動を聞けば聞くほど、私も活動意欲をいただくことができました。
3名に共通するのは、それぞれが開業して多くの経験を積んできているということ。
だからこそ、どんなケースで悩み、それを乗り越えてきたのは何なのかを現実的に語り合うことができます。
カウンセラーにもタイプがあり、それがあるからこそ、合う相談者とそうでない相談者が居るのは事実。
以前はそれぞれの流派の壁が高かった心理業界ですが、最近では、こういった積極的に横つながりを作ろうとする動きは、私たちだけではないようです。
お互い開業しているからこそ、誰であっても自分のところにお客様を寄せようとするのではなく、それぞれの責任を果たして行ける範囲を明確にし、横の連携をすることでより多くの人に貢献していく。
カウンセラーとは、そういう存在でなければならないと、改めて感じさせていただき、そんな話で盛り上がれたのは、本当に価値のある時間でした。
記事をご覧いただき、ありがとうございます。
心を学ぶ講座 特別編 愛の旅 2Day workshop
愛という世界観(パラダイム)から、生き方を創造する全く新しいタイプのワークショップ。
家族・パートナーとの関係だけではなく、心からの充足と高い生産性を生きることができる画期的な2Day workshop。
(心を学ぶ講座各種をお受けになってない初学の方も、ご参加いただけます)
上野大照の公開カウンセリング
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(詳細は画像をクリックしてください)
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JUGEMテーマ:カウンセリング
昨日は、6ヶ月の学びの打ち上げと資格認定を祝う懇親会。
そこでの対話が、心を学ぼうとする人とは、こんな人なんだと、改めて思わされる話だったので、ブログでシェアさせていただこうと思います。
それぞれがお酒は飲めるのか、ここの料理はどうかなどの話が一通り終わり、何故私がブリーフセラピーに傾倒することになったのかという経緯など、質問されるがままにお伝えすると、自然とここに居る一人一人が、これまで何を想って生きてきたのかという話になりました。
ある人は生い立ちからの袂別、ある人は自分の美意識、またある人は常識だと思われてきたカウンセリング法への疑問などを語られます。
さらには現職の会社に勤めることになった経緯や、これからどう生きていこう思っているのかということ、漫画や物語で言うならこんなキャラクターが何故か好きだというような話も登場。ついには自分が人間が好きでたまらないんだということを話すシーンまで。
そんな自分がどうしてここに居るのか、何故こんな巷で高名なわけでもないとある心理探求者からの学びを、わざわざしようと思ったのか。
全員が語ってくれました。
こういった話を聞いていて、私が感じたこと。
それは、皆、どうして常識だと言われているものに囚われなければならないのか、この世界は何が動かしているのか、本当に面白いものは何なのかといった、自分の内側から出てくる疑問に忠実な人たちなのだということでした。
これはスピリチュアルを標榜する人たちとも、どこか違う気がします。
もちろん、特にそういった方々を否定するわけではありません。
ただ、スピリチュアルを標榜する人たちは、何か自分が変われるような、新しい力や世界を期待しているようなところがあるように、私には感じられています。
それが悪いということはありません。自然な欲求です。
ただ、ここに集まっている人たちは、変わりたい、何か新しい力を得たいといった、そういう感じとは少し違うのです。
その欲求の中心は、知りたい、探求したい、答えを出したい、そしてそれが誰かの役に立つものであると信じたい。
そういう人達。
そして企業人として、家族として、起業家として、どれも世間一般で信じられていることに疑問を持つ人達。
誰かの教えではなく、内なる想いに従い、興味に身を任せてみたいと願う、自身の内側に対して誠実な人達なんだと。
ある意味、主宰している私自身、この講座に集まる人達がどんな人達だったのか、初めて知ったようにも思います。
そんな学ぶことへの動機が、心理学一般や全体ということを意味するのかどうか、私にはわかりません。
ここに集まってくれたごく数名が示すだけの属性なのかもしれません。
しかし、こういった人たちがここに居るという縁は疑いようがありませんし、そこにはとても不思議な力を感じました。
何か集うべくして集ったのだと…。
以下には、今回心匠セラピスト資格が認定された4名について、ご紹介させていただきます。
一人目は既にものづくりサロン「VIVI AN」のオーナーとしてご活躍だった
白川 晴美 (Harumi Shirakawa)さん。
TCカラーセラピストでもあり、その養成講師もされておられました。人のお悩みを聞く場面も多く、解決技法をもっと磨きたいという一心から受講を決意されたそうです。
既にセラピストだったということもあり、安心できる雰囲気の中で、現実的に悩みを解決していく技法の飲み込みも速く、今後のご活動に加味していかれるとの決意も聞かせていただくことができました。
白川晴美さんのご情報は、こちらからもご確認いただけます。
カルチャー・スクール「VIVI・AN(ヴィヴィ・アン)」
もう一人は舞踏家・自由人としてご活躍の
神末 結衣 (Kamisue Yui)さん。
ご家族の死からご自身の生き方を模索され、そこから手に入れた舞踏家・自由人という立ち位置から、生き方をサポートされ、各業界の方々をメンターとして導いておられます。
心匠セラピスト養成講座には、上野大照の「問題を見つけてそれを直して行こうとすることよりも、悩みの中には既に本人の隠れた宝物があり、それを対話によって見つけていこうとする姿勢」に共感いただき、受講を決意されたそうです。
資格付与の際には、この思想と能力が理解・確信できたことの価値を、晴れやかな面持ちで語っていただけたのが、とても印象的でした。
宮本 良久さんはご自身の職業・家族を重視しつつも、人間心理を深く知っていくことが、今後の人生に役立つ筈とのことで受講されました。
人間関係とは何によって出来上がっているのかを、深く理解され、今後の人生にどう生かしていかれるのかを考察されています。
日常的な出来事を、問題解決という視点から見たら、どのような見立てが必要になるのかを普段から気にしておられ、それがいつも講座に実践的な価値を与えて下さいました。
青木崇浩さんは、長く勤められた会社から、専門技能を持つ心理カウンセラーを目指し学びを深めておられる中で、その技能獲得の一つとしてこの講座を受講いただいたようです。
キャリアチェンジは、近年のキャリアコンサルティングでも「人生において重要なテーマ」であり、人の悩みの代表的なものでもあります。そのことについて、諦めず一つひとつを実現していこうとする姿勢に、いつも皆が影響を受けました。
カウンセリング技法だけでなく、その取り組み方で得た「自分がどう生きるのか」という学びが、また今後支援する人たちにも影響を与えていくと思います。
どの人もその知識・技能を査定する学科・技術審査を経ての認定。
免許はあくまでこれからの実践をスタートする意味合いでもありますが、ここからより一層実践的な実力をつけた後、新しい社会的立ち位置を手に入れていっていただけることを信じて疑いません。
今抱える現状や常識に疑問を感じつつも、どこかまだ見えない何かをお持ちの方は、次のイベントと講座について、一度ご覧下さい。
私、心匠こと上野大照のセラピーライブ(公開カウンセリング)、次回は10月27日(日)14〜17時。
(詳細は次の画像をクリック)
私が主宰する心匠セラピスト養成講座も、1名限定で、10月より後期受講を受け付けています。
現在13期が進行中ですが、10月14日(月・祝)にChapter1〜6を速修で補講し、後半のChapter7から始められる後期受講生(14期Chapter1〜6まで継続受講が可能)を追加枠として2名(更新中にお申込みがあったので残り1名)だけ募集しております。
こちらは私が主宰するカウンセリングサロンでの開催の為、小規模での募集となっておりますが、私が直接講師として担当させていただく授業をご希望の方は、どうぞお問合せフォームまたはLINE公式アカウントからお声掛けください。
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