誰にでも自分が嫌いな自分というのは、少なからずあるように思います。
田中さんという経営者の男性は、カッとなると怒りを抑えられない自分が嫌いなようでした。
田中さんにNLPの手法を用いて、自分を客観できる状態になってもらい、自らに
「貴方がカッとなるのは、何を得たいからですか?」
と聞いてもらうと、部下に思い通りに動いてほしいからと言います。
では、
「部下が思い通りに動くと、何が得られるのですか?」
と聞いてもらいますと、
「会社の目指すビジョンが実現に近づきます」
と言うそうです。
次にまたNLPのテクニックを用いまして、田中さんに、感情コントロールが十分にできている自分を客観してもらいました。
「あっ!」
と田中さんは何かに気づきました。
そうなのです。
田中さんはこちらの自分の得たいことも、会社のビジョン実現だったのです。
「ではどちらの自分も大切な存在だと言えますか?」
と聞きますと、
「その通りです」
と言われました
そしてまたNLPのテクニックにより、二つの概念が重なった自分を新たに生成しました。
田中さんは、
「なんだかわかりませんが、自分が変わったような気がします」
と言われました。
その後、田中社長に話をうかがうと、社員に対してカッとキレてしまうことがなく、穏やかに対処できるようになり、それだけではなく、よく怒りの対象になっていた社員の仕事ぶりまでが良くなってきたと言われていました。
NLPでは、意図とリソース(資源)という視点から、
内的な葛藤から次の次元に導く技として、
「ヴィジュアルスカッシュ」というものがあり、他の技にも同様の効果を起こせるものがいくつもあります。
自分が自分を嫌っていたとしても、その自分は無駄な存在ではありません。
意図に焦点を当てれば、解決策はあります。
NLPの技を使えなかったとしても、その考え方だけで、価値はあると思います。
ご参考になれば幸いです。