愛と一口に言っても、いろんな愛がある。
男性はとても貧しい家に育った。
お父さんが絵かきだった。
絵はいつも売れるわけではないが、お母さんはその絵を
書いているお父さんが好きだった。
好きだったからこそお母さんは自分が稼いだ。
子どもから見れば、いつも苦労してるのはお母さんに見えた。
その生活が続くとお母さんはお父さんへの愚痴もこぼし始めた。
男性は誓った。
絶対に愛した女性を苦労させないだけのお金を稼ごうと。
女性はお金持ちの家に育った。
お金に苦労は無かったが、両親が共働きでいつも家に居なかった。
いつも寂しかった。
家で両親に会っても、二人は仕事の話ばかりだった。
いつもストレスを感じているように見えた。
友達の家に遊びに行くと、いつも友達のお母さんが
笑顔で迎えてくれた。
とても嬉しかったが、余計に自分の家のことを想うと涙が出た。
両親はせめてもの気持ちを込めて、いつも欲しい物を
買ってあげていた。
でも女性が求めていたものは、お金でも物でもなく、
お母さんのぬくもりだった。
ただ抱きしめて欲しかった。話を聞いて欲しかった。
女性は誓った。
将来結婚するなら、お金よりもぬくもりのある家にしようと。
男性と女性は出逢って結婚した。
男性は女性を幸せにしたいと、必死に仕事した。
ドンドン稼いでお金を家に入れようとした。
そのためなかなか家に帰らなかった。
しかし、女性はお金よりも一緒に居てぬくもりを感じたかった。
女性は男性に寂しい思いをさせたくないと、たくさん連絡した。
手紙を書き、電話をした。
しかし、男性は仕事に集中したかった。
二人はスレ違い始めた。
愛しているのに、お互いの想いが通じ合わないことに苦しみ、離婚した。
二人は二人共、
あの人は自分をわかってくれなかった。
自分への愛などなかったのかもしれないと嘆いた…
果たしてどちらに問題があったのだろうか。
そもそも問題はあったのだろうか。
二人の愛に問題などなかった。
ただ「コミュニケーションは、相手の反応にこそ、その意味があらわれる」という原則を知らなかっただけだった。
自分が与えたい愛に問題があったわけではなく、相手が求めている愛に目が向いていないだけだった。
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