いつもご愛読ありがとうございます。
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この記事は、
このグループ「脳障害を負ったクライアント」
でシリーズとして書き溜めているものです。
後の記事を見てご興味を持っていただいた方は、
グループの記事を初めから読んでいただけましたらと
思います。
※ブログなので順番が通常と逆です
(最新記事が先に出てきます)
ご了承ください。
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そして彼女はとにかく一命は留めることができました。
容態が安定したきたので、ICU(集中治療室)から、
SCU(脳卒中集中治療室)へと移り、経過を見ていく
こととなりました。
集中治療室と違い、家族や面会者も少し長く居ることが
できます。
そして話し始めると…彼女に起きていることが少しずつ
分かり始めました。
そう…
事故より前のことが思い出せないのです
(どちらにしても私は事故後に始めてお会いしてます
ので、もちろんどこの誰?という話だと思うのですが…)
脳に物理的なダメージを負っていますから、もちろん
半身不随症状が出ており、これについてはもう、担当
医師からも「諦めてください」とのことでした。
ご両親が本人に何が起きたのか必死に説明していますが
思考にもまだ難しさがあるのか、中々思うように話が
進みません
私は時々「貴方は誰なの?」と聞かれますから、
「精神ケアの先生ですよ」と言うと、「ふ〜ん」と
帰ってくる程度の反応です。
そして少しこの話を早巻きにしたいと思いますが、
SCUも出て、一般病棟の個室へ移り、段々と普通の
入院生活的な状態へとなってきました。
そしてやっと彼女(ここからはAさんとします)との
まともな会話ができるようになってきました。
(私にはこの時点で既に奇跡だというレベルに感じて
ましたが…)
結局私にできることなど、殆どありませんから、何気
ない会話を交わしては帰る日々の繰り返しなのですが、
数週間経つと、彼女が頭をもたげて、何かに苦しんで
いる様子なのです。
何か重大なことを忘れている気がすると…
既に毎日来ているご両親については、きちんと思い出し、
わかるようになっていました。
そうです。
読者の皆様はお気づきになったかと思いますが、
同棲していた彼の存在について、Aさんは忘れていたの
です。
ご両親は彼の存在について、会話の中で一切触れて
なかった。
このまま忘れてくれていたら良いと思っていたの
かもしれません。
しかし、そんなご両親の意図は虚しく、記憶の糸は
徐々に紡がれていきます。
その瞬間がどうもとても苦しいようなのです。
そして彼女は気づきました。
自分には結婚の話までしていた同棲中だった彼が
居たのだと…
続きはまた次回に…
いつもご愛読ありがとうございます。