心の病について、研究すればするほど、考えさせられることがあります。
そもそも人は
心の
扱い方というものを知りません。
心には正しい扱い方がわからないという、とても困った性質があるのです。
だからいつになっても、心についての研究は仮説的で、終わりがありません。
心については、身体的に脳科学などで見る方法、人間関係で見る方法、心理そのもので見る方法などなどありますが、どれも一部しか語れているものでないように思います。
カウンセラー同士で語り合っても、心についての正答は出てきません。
最近、私はユング派の心理学をまた復習させていただいているのですが、
カール・グスタフ・ユングの書いた自伝が思いの他面白く、考えさせれるのです。
普通自伝や伝記などと言えば、いつ生まれ、どういう家庭で育ち、人生において客観的事実として何が起きたのかを書いていくものですが、彼の自伝はそれを真っ向から覆しています。
彼は自分の心に起きた、心の変化に絞って自伝をまとめているのです。
しかも編纂を務めたヤッフェ氏と、彼が没後に出版するよう約束して書いたというとても意義深いもの。
私はこのユングの、ご自身についての記述の仕方にとても感銘を覚えると共に、より一層心について考えさせられているのです。
多くの人がこうやって自分の心と正直に向き合えていたなら、どれほどこの社会は健全化しているだろうと。
(ユング自身はこの「自分の心」に誠実に向き合ったが故にとても苦しんだようですし、正直に向き合っていたからこそ分析心理学を大成させたのだとも思います。)
そして最初の話に戻し、心の病とその対策について、私が最近考えているのは、こういう仮説になります。
1.思っているのに、思っていないはずだと思い込んでいることを、思っていたのだと認める。
2.思っていないのに、思っているはずだと思い込んでいることを、思っていなかったのだと認める。
3.その思いを活かしてどう生きるのか、周囲の人との付き合い方を模索する。
1.2.については自分の本心を知るということになると思いますが、3.は少し違います。
つまり、心は在るがままであることこそ素晴らしい(これは1.2.のことです)。
しかし、それを活かして生きるためには、周囲の人との付き合い方を学ぶ必要がある。
1.2.は心理学でしょうし、3.は実践心理学と言えるでしょうか。個人の心理と人間関係とも言えますね。
私が解決志向のセラピストとして、実践的に得意としているコミュニケーション論やシステムズアプローチは後者になると思いますし、瞑想講座などを通じてお伝えしていることは前者に当たるでしょう。
カウンセラーとして、どちらもないがしろにしない存在でありたいと改めて思います。
私が展開している教育プログラムで言えば、「コミュニケーションプログラム(ベーシック&アドバンス)」は後者ですし、プロセラピストを養成する「メタセラピスト養成プログラム」はその両方を深く掘り下げていくものです。
もちろん個人や家族の心理カウンセリングにおいては、両面で見ています。
心だけでもなく、人間関係だけでもなく。
カウンセラーが学ぶべきことは、とても広いものだと改めて考えさせられる日々でございます。
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