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- 2020.10.17 Saturday
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- by スポンサードリンク
今回は前記事で書いた心理学を学ぶにもおすすめできない学び方があるという点について、詳しく書かせていただこうと思います
それについてお伝えするにあたって、人の心は操作できるのかという点について考えてみたいと思います
「アラジンと魔法のランプ」というお話があります。
ディズニーでは、「アラジン」という題名の映画で公開されました。
その中で、ランプをこするとジーニーという魔神が現れ、なんでも願いを3つだけ叶えてくれるというシーンがあります。
しかし、その願いにはルールがあるという前提をいきなり言われます。
それは、
1.自分に恋をさせることはできない(人の心は操れない)
2.人を殺すことはできない
3.願いを増やすことはできない
というもの。
このルールを見ると、急に願いが制限されてしまった気がしませんでしょうか。
人の心が操れるという願いは、多くの場合入れておいてほしいようにも思います。
原作者が何故このようなルールを入れたのかは定かではありませんが、こういったルールを入れておく健全な理由が、心理学を学ぶ理由とも重なってくるのです。
心理学を学ぶ人のうち、ある程度は、きっと心とはどのような仕組みになっていて、どうしたら自分の心も相手も操れるようになるのかという期待がこもっているでしょう。
しかし、それは「アラジン」によればできないと断定されてしまうのです。
何故、願ってはいけないのでしょうか。
私には、映画のこのシーンに込められた願いは、次のようなところにあったのではないかという予想があります。
人が心という分野に期待していることは何でしょうか。
先ず、自分が人に好かれるというところから考えてみましょう。
以前に自分をふった男性との復縁を願い、その男性の心が自分を好きになるように魔法のように仕向けてほしいと心理カウンセリングで依頼されたことがあります。
もはやそれはカウンセリングじゃないですし、魔法使いになれという依頼です。
簡単なことではないでしょうし、もちろんお断りしましたが、そこには無理だからという以上の理由があります。
催眠術も同じですが、自分が好きにさせたということが、相手から自発的に好きになってくれるという自由を奪ってしまうということです。
つまり、本心で好きになってくれることを願っているが、自分の人心操作によって好きにさせているということで、その願いは叶わないものとなってしまうという本末転倒が起きるわけです。
私はその女性に何度となく「それは無駄な願いだ」と説得しました。
そして引き受けたのは、実際的に彼を支え、好まれるような女性になること(魅力を上げること)についてのコーチングでした。
今、インターネットを中心とする、世間に氾濫された情報は、簡単に何かが手に入ると誤解させる打算的な世界の構築にむかってしまっていると、私は感じています。
多くのインターネットを通じた仕事は、広告やSEOという対策によって、深く本質的な情報を提供することよりも、
「◯◯の方法 まとめ」
という具合に、民衆の気を引くようにうまく情報をまとめることに終始される傾向が強まっています。
出版物なども、その方が売れるからという理由で、簡単に人生を好転させると誤解させるような題名が付けられています。
しかし、そのような情報達には、本質的な深さがなく、例え試してみたところで中途半端な成果しかあらわれないことが多いのです。
そして、結局のところ、未来を打算的で魅力の薄い世界の構築へと向けて、売上という経済競争を繰り返しながら、一生懸命にこぞって努力しているような状況です。
逆に、心理カウンセリングの別のクライアントとなった女性にこういう人がいました。
彼女は、交際したり別れたりを繰り返す男性との、いじらしく、なかなかうまくいかない関係性について、
「未知の未来を構築できる楽しみが手に入りました」
と言い、カウンセリングが集結したのです。
恋愛についての価値観が変わったということだったのでしょう。
3回の個人セッションで語り合ったのは、未来に対する期待は何かということばかりでした。
このことを境に彼女の人生は変わり、その人よりも魅力的で人生に必要だと判断された別の人と数年後に結婚されました。
思い悩みがちな人生から、日々を豊かに過ごす生き様が手に入った事例です。
人生には、「どうなるのかわからない」ということが、逆に、希望を与えてくれる側面もあるようです。
もちろん、全てが叶う学びなどあるとは誰も思っていないでしょう。
しかし、もしそれが達成されたとしても、結局は、期待も希望も失ってしまうということを知っておく方が良いと、私は感じるのです。
もし、ジーニーが願いにルールを課さなかったら、どうなったのでしょうか。
人の恋心も、生命の自由も、必ず叶う願いの数も、無尽蔵に与えられたとしたら…
それは未来がどうなるのかわからないという大きな希望と可能性が失われた、虚無感溢れる世界の達成を意味しているのかもしれません。
だとすると、日々の虚しさから解放され、達成と共に、未来に明るい期待と可能性を抱き続けて生きていくために、私たちはどう生きていくべきなのでしょうか。
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JUGEMテーマ:心理学
心理学は人を幸せにしたのか。
これは心理学を多用に学んできた私にとって、今感じる重要なテーマです。
私はセミナーをやると、いつも参加者に最初に確認することがあります。
それは
「今日参加された目的とか、ご興味はなんですか」
ということ。
もちろん人数が多い時には数名しか聞けませんが、必ず聞くことではあります。
期待に沿わないセミナーをやることほど無意味なことはありませんので。
昨日、『心の不思議』というセミナーを行ったときに、ある方がこんなことを言われました。
『心理学ってどんなものか知りたいんです』
随分前ですが、私がそう思った時代のことを思い出します。
私も大学で心理学を学び始めたとき、そう思っていました。
私の場合、その前提には、
『心理学とは一つのものだ』
という考え方がありました。
だからこそ、
『心理学を知れば、人は幸せになれる』
と信じてもいたのです。
しかし、心理学を学び、心理カウンセラーとして仕事をし、心理教育の講師にもなった今思うことは、
『 心理学 = 幸せ 』
ではありません。
その理由として、心理学を理解するのは、とても複雑なものなのだということがあります。
「随分と心を扱う理論は多いんだな」
これが私が心理について専門的に学び始めて、しばらくしてから思ったことです。
心理学の祖と言われるフロイトという19世紀の学者は、心を性衝動という観点から研究しましたし、その弟子のユングという人は、心を人類が共有している無意識の世界から来ていると仮定しました。
私がよく参考にしている構成主義という考え方では、心はいつも一時的に構成された仮のものでしかないという表現をしたりもします。
どれを信じたら良いのと、偉い先生に聞いたとしても、大抵は
「どれを信じたいですか?」
と問い返されたりしてしまいます。
それでは自分は一体何を学び始めたのか、わからなくなってしまいます。
心理学を学び始める目的は、大抵が幸せになるためです。
しかし、その人が数百以上ある心理学の中から、何を学び始めるのかは、運命のみぞ知るところです。
そしてその多くの人が、初めはウキウキと学んでいますが、徐々に終わりのない旅が始まったことを知ります。
じゃあ心に興味を持った時、何から学べば良いのでしょうか。
私が今思う、ここから学べが良かったという心の分野は、
『認識論』
です。
認識論は、心というよりも人が何かを感じるというのはどういうことなのか、認知というシステムを紐解いているものです。
認識論は1960年辺りを境に発展してきた、新しい心理学です。
既に数十年が経過していますが、私が読んだ中で、わりと最新の認識論と言えるダニエル・カーネマン著『ファスト&スロー あなたの意志はどのように決まるか』という本でも、結局のところあまり趣旨は変わっていません。
この本は2012年に発刊され、ノーベル経済学賞を受賞しました。
この分野は純粋に心の仕組みを学び、幸せの構築に役立てることができます。
それとは違い、心理学の間違った学び方だと思うものがあります。
それは、人の心を操れると信じさせる学び方です。
心理学が人の心を操ることは、その仕組みを知れば、ある程度できます。
私もそれを積極的にやることはありませんが、生きる希望を失った人に新たな希望を抱かせたいときなどに役立つことはあります。
しかし、やはり乱発はできません。
それは善悪論やモラル的な意味でそう言うのではないのです。
それは幸せの獲得に不利になるからです。
そのことを、次の記事で書いていこうと思います。
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